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〈弱さ〉から読み解く韓国現代文学

出版社名 NHK出版
出版年月 2024年11月
ISBNコード 978-4-14-081979-1
4-14-081979-0
税込価格 1,870円
頁数・縦 236P 19cm

商品内容

要旨

本書における“弱さ”とは、自らの意志とは関係なく、選択肢を奪われている立場のこと。激動の歴史、そして暴力的な社会のなかで、声を奪われ、人生の断崖に追い詰められる―。そんな“弱さ”に置かれた人々の思考と格闘を、韓国現代文学は、リアルに、真摯に描いている。そこに込められた「声」を聴き取るために、一つひとつの物語を、丁寧にほどいていく。NHK「カルチャーラジオ 文学の時間」で放送されたラジオ講座が待望の書籍化!

目次

試練の歴史と作家のまなざし―パクミンギュ『亡き王女のためのパヴァーヌ』
ある女性が“ひとり”になるまでの物語―チョナムジュ『82年生まれ、キム・ジヨン』
性暴力を「信じてもらえない語り」で描く―カンファギル『別の人』
「普通」の限界、クィア文学が開けた風穴―パクサンヨン『大都会の愛し方』
経済優先社会で行き場を失う労働者―孔枝泳『椅子取りゲーム』
植民地支配下、声を上げる女たちの系譜―パク・ソリョン『滞空女 屋根の上のモダンガール』
民主化運動、忘却に静かに抗う―キム・スム『Lの運動靴』
セウォル号沈没事件・キャンドル革命と“弱者”―ファン・ジョンウン『ディディの傘』
「子どもが親を選べたら」少子化が生んだ想像力―イ・ヒヨン『ペイント』
社会の周縁から人間の本質を問う―キム・ヘジン『中央駅』
あり得たかもしれない、ハッピーエンドの物語―チョン・セラン『シソンから、』
高齢女性の殺し屋が問いかける“弱さ”―ク・ビョンモ『破果』
弱くある自由を叫ぶ―チョ・ナムジュ『私たちが記したもの』

出版社・メーカーコメント

物語の中の〈弱さ〉が、読む人の心に光を灯すどの作品も、〈弱さ〉を正面から描いているから−−。著者が数々の作品の翻訳を手掛けるなかで、「なぜ韓国現代文学に魅せられるのか」を自らに問い、深く考えてたどり着いたのが、この答えでした。

著者紹介

小山内 園子 (オサナイ ソノコ)  
韓日翻訳者、社会福祉士。NHK報道局ディレクターを経て、延世大学校などで韓国語を学ぶ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)