スピン流は科学を書き換える
インターナショナル新書 150
出版社名 | 集英社インターナショナル |
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出版年月 | 2024年12月 |
ISBNコード |
978-4-7976-8150-5
(4-7976-8150-0) |
税込価格 | 968円 |
頁数・縦 | 205P 18cm |
書籍ダイジェスト配信サービス SERENDIP 厳選書籍 要旨 日常生活に欠かせないエレクトロニクス製品は、電子のもつ電気的な性質である「電荷」を使った技術といえる。一方、電子にはもう一つ、自転のような「スピン」の性質があり、近年、技術への応用が始まっている。次世代テクノロジーを飛躍させる可能性も指摘されるスピンとは、どんなものなのだろうか。 |
商品内容
要旨 |
私たちは電子が持つ電荷の性質を、電流として利用してきた。しかし、電子にはもう一つ、磁石の源になる「自転のような」スピンの性質がある。昨今、このスピンが流れることがわかり、それを記述する新しい物理法則の確立や、従来の法則の修正に迫られている。スピン流は量子コンピューターや超低消費コンピューター、新しい発電、超高感度センサー等、次世代テクノロジーへの応用とともに、暗黒物質検出など未解決問題にも迫り得る可能性を秘めている。 |
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目次 |
第1章 スピンとは何か |
出版社・メーカーコメント
電流の先にあった、電子のもう一つの性質「自転」の流れ、スピン流。近年見つかったこの現象は、未踏の科学を開拓し、従来の法則には修正を求め、次世代テクノロジーの礎を築く可能性に満ちている。「大きな発見はもうない」と揶揄されることもあるが、科学やテクノロジーには、まだ先があった。電子には二つの性質がある。電流のもとになる電荷と、磁石のもとになる自転のようなスピン。スピンはあまりにも小さく無視されてきた物理量だが、ナノテクノロジーの成熟によって、スピンが流れるスピン流の存在までもが見えてくると、この概念なくして微細な世界は語れなくなってきた。しかし、電流のように流れを打ち消し合うこともなく、絶縁体にも伝わっていくなど、今までの物理法則でスピン流を記述することはできない。さらに、力学や流体力学、電磁気学なども、スピンやスピン流の要素を加えて修正していかなければならなくなっている。この新しい科学は、次世代テクノロジーの展開へと拡がり、消費エネルギーが桁違いに低いコンピューターや開発競争が激化する量子コンピューター、ロスが少ない発電や新しい方式の発電、超高感度センサーなどへの応用が見据えられている。さらには、「科学の宿題」である幻のマヨラナ粒子の発見や、ダークマターの検出への期待も膨らむ。この最先端の科学とテクノロジーについて、実験や研究の豊富なエピソードを交えながら、世界的第一人者が平易に解説していく。【目次より抜粋】第1章 スピンとは何か第2章 電荷が流れる電流、スピンが流れるスピン流第3章 利用するためには計測を第4章 スピン流の物理学が始まる第5章 物質の性質をコントロールする第6章 トポロジカル絶縁体は実在するか第7章 スピン流で新たな物理法則が拡がる第8章 スピン流は社会をどう変えるか