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新旧論 三つの「新しさ」と「古さ」の共存

講談社文芸文庫 かP9

出版社名 講談社
出版年月 2024年12月
ISBNコード 978-4-06-537661-4
4-06-537661-0
税込価格 2,530円
頁数・縦 329P 16cm

商品内容

要旨

小林秀雄の批評、梶井基次郎の小説、中原中也の詩―。彼らの作品そのもの、あるいは思想や感覚は当時としてどのような「新しさ」や「古さ」を感じさせていたのか?丁寧な読解と柔軟な思考を経て、三人が新旧の深い溝を乗り越えて達成した本質に迫る、野心的文芸評論の傑作。最初の著書『アメリカの影』につづき一九八七年に刊行された第二評論集『批評へ』から独立させ、初の文庫化。

目次

1 小林秀雄の世代の「新しさ」―「社会化した私」と「社会化されえない私」
2 小林秀雄―ランボーと志賀直哉の共存
3 梶井基次郎―玩物喪志の道
4 中原中也―言葉にならないもの
5 小林と中原―社会化と社会性
6 「惑い」の場所―終りに

出版社・メーカーコメント

昭和初期に鮮やかに出現し、いまなお文学に関心を抱く者がどこかで出会う、小林秀雄、梶井基次郎、中原中也−−彼らの文芸評論、小説、詩はどこが新しく、どこが古かったのか?著者は通念にとらわれず、すべてをゼロから読み解くことで、この三人の文学者の表現を徹底的に検討し、思いの外自らに近いところに三人の存在があるという理解に至る。「早稲田文学」1981年11月号に発表されたものを徹底的に加筆訂正し、1987年7月に刊行された二番目の評論集『批評へ』に収録された長篇文芸評論が37年を経て再刊される。文芸評論家としての加藤典洋の出発点に再び光が当てられる。

著者紹介

加藤 典洋 (カトウ ノリヒロ)  
1948・4・1〜2019・5・16。文芸評論家。山形県生まれ。1972年、東京大学文学部仏文科卒。国立国会図書館勤務、明治学院大学教授、早稲田大学教授を経て、2014年、同大学名誉教授。1981年、「早稲田文学」に本書の元となる長篇評論「二つの「新しさ」と「古さ」の共存―小林秀雄の世代について」を発表。85年、最初の評論集『アメリカの影』刊行。97年、『言語表現法講義』で新潮学芸賞、98年、『敗戦後論』で伊藤整文学賞、2004年、『テクストから遠く離れて』『小説の未来』で桑原武夫学芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)