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ナチス・ドイツのクリスマス ナチス機関誌「女性展望」にみる祝祭のプロパガンダ

出版社名 青弓社
出版年月 2024年12月
ISBNコード 978-4-7872-2105-6
4-7872-2105-1
税込価格 4,180円
頁数・縦 278P 21cm

商品内容

要旨

ナチス・ドイツがプロパガンダに利用したクリスマスを通して、女性の社会活動、家庭や家族のあり方、銃後の生活を分析する。そして、プロパガンダに巻き込まれながら、戦時下の激流にもまれて生きる女性たちの姿を描き出す。

目次

第1章 政治宣伝に利用されるドイツのクリスマスのはじまり―一八七〇年から一九三〇年代初めまで(十九世紀市民階級の家族の祝祭としてのクリスマス
戦争とクリスマス ほか)
第2章 民族文化史的プロパガンダとしてのクリスマス―キリスト教の祝祭とゲルマン民族の冬至祭(国家統一を目指す十九世紀の愛国主義から二十世紀前半の民族主義へ
教会との関係、青年運動との関係 ほか)
第3章 家庭で祝うクリスマス(どのようにクリスマスを祝うのか―中産階級にとってのクリスマス
クリスマス飾りを準備する ほか)
第4章 社会的・政治的プロパガンダに利用されるクリスマス(辺境地域の労働者家族への支援
「みんなのクリスマス」―ナチ女性団、ドイツ女性事業団、ドイツ女子青年団、少女団の活動 ほか)

出版社・メーカーコメント

ナチス・ドイツは、宗教的祝祭のクリスマスさえも国家的なプロパガンダとして利用していた−−。ナチス時代に家庭ではクリスマスをどう祝っていたのか。そして、民族共同体の強化の一環としてクリスマスはどう使われ、第2次世界大戦以降はそれが戦時プロパガンダへとどのように接続していったのか。ナチス・ドイツは、ヨーゼフ・ゲッベルス指導のもと、ラジオ、映画、新聞・雑誌、書籍などのあらゆる大衆メディアを使ってイデオロギー宣伝を軸にしたプロパガンダを展開した。その一環として刊行された官製女性雑誌「女性展望」の記事と写真から、プロパガンダとしてのクリスマスの実情を描き出す。クリスマスというレンズを通して映し出される、ナチス・ドイツが理想として宣伝した女性の社会活動、家庭や家族のあり方、銃後の生活を緻密に分析する。そして、プロパガンダに巻き込まれ、戦時下の激流に生きる当時の女性たちの姿を丁寧にすくい取る。

著者紹介

桑原 ヒサ子 (クワハラ ヒサコ)  
1953年、東京都生まれ。敬和学園大学名誉教授。専攻はドイツ文学、ドイツ現代文化(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)