夏の匂いがする
出版社名 | マイクロマガジン社 |
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出版年月 | 2024年12月 |
ISBNコード |
978-4-86716-680-2
(4-86716-680-4) |
税込価格 | 1,815円 |
頁数・縦 | 243P 20cm |
NetGalley 会員レビュー
おすすめ度 大人になる前の少女の不安定な気持ちが、とてもうまく表現されていた。最初の『瑠璃色を着ていた』を読んだ時点で、一気に感性が十代に戻されてしまった。もう戻れないあのころが、夏の終わりの一抹の寂しさとシンクロしていて、とにかく切なく、悲しく、でも美しかった。わけもなく笑ったり、泣いたりしていたあの頃のように、知らない間に涙が頬を伝っていた。各作品の後に、著者の解説があるのもよかった。
おすすめ度 胸が苦しくなるような甘酸っぱい気持ちや、新鮮なまま保存された少女の煌めきが美しく表現されている。今まさに少女の時を過ごしている人には、刺激的で、心が自由に解き放たれて、支えとなる1冊。もう大人になった私は、懐かしい錯覚に色んな思いが重なり、心の動きや揺らぎが丁寧に描かれている1ページ1ページを、大切にかみしめた。人生を共に歩める、希望のかたまりのような作品だ。
おすすめ度 表紙写真と物語の世界観がぴったり。いまだからこそ思った形にできたのだろうというのも、作者によるコメントが各作品についていてわかるし、読み手としても著者の思いが伝わる形で届くのはありがたい。通して読むと、本当にこの時期特有の危うい関係性が好きで、あの肌感覚を言語化したいのだなというのが伝わってくる。恋愛感情とか愛情とか、そんなのとは別の次元の「好き」が、あの頃には存在したな、というのを思い出しました。 上記レビューの提供元:NetGalley(株式会社メディアドゥ) NetGalleyとは、本を応援するWEBサイトです。 |
商品内容
要旨 |
「制服を着ているときにしか聴こえない夏の音や、大人にも子供にも見えない夏の映像を、私たちはちゃんと日々感じながら生きていた。」(「瑠璃色を着ていた」) 「ねえ白、人はみんな、半分で生まれてくるのかもしれない。そしてその半分を、必死で埋めようとしている。」(「植物姉妹」)…ほか、R‐18文学賞優秀賞を含む、初期短編五篇を収録。著者自らそれぞれの作品コメントも書き下ろしたファン必携の一冊。 |
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出版社・メーカーコメント
ずっと私たち二人だけの美しい世界が続けばいい。『みんな蛍を殺したかった』の著者が綴るR−18文学賞優秀賞を含む五篇の短編集。