• 本

皇室典範 明治の起草の攻防から現代の皇位継承問題まで

中公新書 2840

出版社名 中央公論新社
出版年月 2025年1月
ISBNコード 978-4-12-102840-2
4-12-102840-6
税込価格 990円
頁数・縦 240P 18cm

商品内容

要旨

伊藤博文の主導で制定された明治の皇室典範。女帝・女系容認の可能性もあったが、皇位継承資格は「男系の男子」限定で、退位の規定もない。その骨格は戦後の皇室典範でも維持された。皇族男子の誕生は極めて稀で、皇族数の減少も続き、制度的矛盾が顕在化して久しい。小泉内閣時代に改正の検討が始まるも、進展はいまだ見えない。本格的議論の再開に向けて、皇室制度の専門家が論点を整理し、法改正への道筋を探る。

目次

第一章 明治皇室典範の起草をめぐる攻防(伊藤・シュタイン「邂逅」と柳原前光
伊藤の体制刷新と柳原の失速
高輪会議とは何だったのか
皇室典範の成立と保守派との攻防)
第二章 戦後の皇室典範制定(皇室の命運と知日派の台頭
占領統治と「国体護持」をめぐる攻防
現行皇室典範が抱えた矛盾―皇位継承と退位
狙われた皇室財産と皇籍離脱
矛盾が生んだ制度上の不具合)
第三章 顕在化した構造的矛盾(皇位継承問題とは何か
少子化と制度疲労
「生前退位」から典範改正へ)
第四章 象徴天皇制の新たな危機(戦後政治と昭和天皇
「象徴天皇」の模索
象徴天皇制と典範改正)

出版社・メーカーコメント

明治の皇室典範制定で、なぜ皇位は男系男子に限られ、終戦後も維持されたのか。皇室制度の専門家が、安定的皇位継承への道筋を探る。

著者紹介

笠原 英彦 (カサハラ ヒデヒコ)  
1956年(昭和31年)、東京都に生まれる。1980年、慶應義塾大学法学部政治学科卒業。1985年、同大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。法学博士。1988〜89年、2000〜01年、スタンフォード大学(米国)訪問研究員。慶應義塾大学法学部教授を経て、同大学名誉教授。専攻、日本政治史、日本行政史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)