• 本

願わくば海の底で

出版社名 東京創元社
出版年月 2025年2月
ISBNコード 978-4-488-02920-3
4-488-02920-5
税込価格 1,760円
頁数・縦 219P 19cm

NetGalley 会員レビュー

図書館関係者

おすすめ度おすすめ度★5

途中までは、合間にちょっとした謎解きをはさんだ、菅原晋也という少年とその周辺の青春もののように読める。ちょっと風変わりで、うっかりものの、思い返すとそんな後輩が、クラスメイトが、生徒が、先輩がいたなぁと、今どうしてるんだろうと懐かしく思い返すような人物像で語られます。けれど、最後まで読むと、彼や、彼と過ごした時間を、ただの青春の1ページとしては扱いきれない、強い印象を残した存在であることに気づかされました。一人ひとりの命や、何気ない日常の尊さをあらためて感じます。

図書館関係者

おすすめ度おすすめ度★5

あまり前情報を入れずに読み進めていたのですが、途中で「ああ、そういうことなのか……」と。お話の進め方が巧みで、特に、最後の「語り手」が誰だか明かされるあたり、グッと来ました。丁寧に練られた上質な作品だと思います。若い世代を中心に、ぜひ多くの方々に読んでいただきたいです。

教育関係者

おすすめ度おすすめ度★5

大切なものを大事に出来ない、そんな薄情な自分に悩む菅原の3年間の高校生活を、先輩・級友・後輩など視点を変えて追憶する。何気ない日常と、少しのミステリと、輝かしい未来と―――東北の街を襲った絶対的な出来事を通して、今を見詰め直すキッカケを与えてくれる作品。

上記レビューの提供元:NetGalley(株式会社メディアドゥ)

NetGalleyとは、本を応援するWEBサイトです。
・サイト上には、出版社が発売前の本のゲラやイチオシ既刊本を掲載しています。
・読んでみたい作品にリクエストを送り、出版社に承認されること、読むことができます。
・読んだ作品にレビューやコメントを書くことで、出版社へ直接メッセージを届けることができます。
詳しくはこちら ※e-honとは別サイトに移動します

商品内容

要旨

東北地方沿岸部のとある高校。そこで起こるささやかな謎の中心には、いつだって彼がいた。校舎が荒らされた前夜に目撃された青い火の玉。プールサイドで昼食を取っていたとき、話しかけてきた同級生を水中に突き飛ばしてしまった女子生徒の真意。テーマ不明の、花瓶に生けられた花の絵。そして、高校卒業後大学に入学するまでの何者でもなかった二〇一一年の“あの日”以来、私たちの前から姿を消してしまった彼自身―。これは大切なものほどなくしてしまう悪癖に悩まされ、それでも飄々と振る舞う青年が歩んだ、高校生活三年間の軌跡を辿りなおす物語。

出版社・メーカーコメント

宮城県沿岸部のとある高校。そこで起こるささやかな謎の中心には、いつだって彼がいた。校舎が荒らされた前夜に目撃された謎の光。一人昼食を摂る女子生徒に話しかけただけでプールに投げ落とされた男子生徒。テーマ不明の、花瓶に生けられた花の絵。そして2011年の”あの日”以来、姿を消してしまった彼自身−−。これは、大切なものほど失くす悪癖に悩み、それでも飄々と振る舞う菅原晋也が生きた軌跡を辿りなおす物語。