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右翼と左翼の源流 近代日本の地下水脈 2

文春新書 1487

出版社名 文藝春秋
出版年月 2025年3月
ISBNコード 978-4-16-661487-5
4-16-661487-8
税込価格 1,056円
頁数・縦 254P 18cm

商品内容

要旨

なぜ陸軍青年将校は北一輝の国家社会主義に心酔したのか?なぜ共産主義は日本に根づかなかったのか?反体制運動の地下水脈を探れば、現在の日本を騒がす「兵庫県知事問題」も「石丸現象」も読み解ける。保阪昭和史の決定版!

目次

第1章 反体制運動の源流
第2章 老壮会―左右の地下水脈の合流と分岐
第3章 国家主義者たちの群像
第4章 テロリストの地下水脈
第5章 共産主義者の傲慢と感傷
第6章 「転向」から「自己変革」へ

出版社・メーカーコメント

知的エリートたちに蔓延したマルクス主義の勃興と敗北、陸軍青年将校らの心をつかんだ北一輝の国家社会主義、そして井上日召らテロリストの横行――。戦前日本のテロルから安倍晋三首相暗殺までを貫く「保阪近現代史」の決定版!日本はなぜ無謀な戦争に突っ走り、負けたのか? それから80年経った今、なぜ日本は同じような失敗を繰り返しているのか?――近現代史の第一人者である保阪氏は、「地下水脈」という歴史観にたどり着く。明治初期、「日本をこれからどのような体制の国家にするか?」をめぐって“主導権争い”がおこなわれた。著者はこの間に、次の5つの国家像が模索されたと考えている。(1)欧米列強にならう帝国主義国家(2)道義や倫理を尊ぶ道義的帝国主義的国家(3)自由民権を軸にした民権国家(4)アメリカにならう連邦制地方分権国家(5)攘夷を貫く小国家 実際の歴史では、日本は(1)を歩み、すべてが軍事に収斂していくことになる。その結末が、昭和の悲惨な敗戦であった。では、残る(2)?(5)の国家像は、そのまま消えてしまったのか?そうではない。これらの地下水脈は反体制運動に流れ込んだ。社会主義者、マルクス主義者、アジア主義者、国家社会主義者、アナキスト、農本主義者たちは、地下水脈を受け継ぎながら、社会の変革を企図していったのである。「地下水脈」という歴史観でとらえれば、左翼運動の失敗も国家社会主義と軍の結託も、昭和天皇の「人間宣言」の意図も、そして安倍暗殺事件の奥底にあるものも、クリアに見えてくる。

著者紹介

保阪 正康 (ホサカ マサヤス)  
昭和史研究家。1939年、札幌市生まれ。同志社大学文学部卒。編集者時代の1972年に『死なう団事件』で作家デビューして以降、一貫して日本の近現代史を検証し続け、約5000人もの歴史の証人を取材してきた。2004年、昭和史研究の第一人者として第52回菊池寛賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)