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『兵範記』を読む 保元の乱の全記録

角川選書 676

出版社名 KADOKAWA
出版年月 2025年3月
ISBNコード 978-4-04-703603-1
4-04-703603-X
税込価格 2,860円
頁数・縦 412P 19cm

商品内容

要旨

『兵範記』は、桓武平氏の「日記の家」に生まれた平信範が、21から73歳のあいだ残した記録。摂関家の藤原忠通・基実に仕えた家司にして実務官僚の信範は、権力中枢に関わる情報を入手できる立場にあり、新興の武門平氏との関係も深かった。崇徳院・藤原頼長が挙兵に至った経緯、天皇方の戦力、戦後処理など、古記録からは、『愚管抄』『保元物語』とは異なる摂関家の内部事情が窺える。イメージを一新した貴族の姿を描く、著者渾身の遺作。

目次

序論
第一部 摂関家への奉仕と鳥羽院政期の政情(中宮藤原聖子と家政
美福門院得子と平忠盛 ほか)
第二部 忠通・頼長の相克―仁平二年〜仁平四(久寿元)年(氏長者藤原頼長の誕生―忠実の忠通義絶
仁平二年の前半―頼長の大饗・基実の公卿昇進 ほか)
第三部 保元の乱前夜―久寿二年〜久寿三(保元元)年(久寿二年前半―孤立する頼長
近衛天皇の死去 ほか)
第四部 保元の乱の結末(崇徳院・頼長方の軍勢
後白河天皇方の勝利 ほか)
補編

出版社・メーカーコメント

『兵範記』は、桓武平氏の「日記の家」に生まれた平信範が、21〜73歳のあいだ書き残した記録。実務官僚であった信範の日記は、朝廷・公家の活動、朝廷儀式について知るための基本史料。これまで明らかにされてこなかった摂関家の内部事情が窺える貴重な史料で、克明な記録からは、信範の高い情報収集能力や実務官僚としての能力・人柄が読み取れ、蹴鞠や歌を楽しむ、優雅な貴族のイメージが払拭される。

著者紹介

元木 泰雄 (モトキ ヤスオ)  
1954年、兵庫県に生まれる。1978年、京都大学文学部史学科国史学専攻卒業。1983年、京都大学大学院文学研究科博士課程研究指導認定退学。京都大学名誉教授、京都大学博士。2024年4月、没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)