• 本

日本史の分岐点

出版社名 草思社
出版年月 2025年10月
ISBNコード 978-4-7942-2805-5
4-7942-2805-8
税込価格 1,870円
頁数・縦 199P 19cm

商品内容

要旨

秀吉の「伴天連追放令」が西洋の植民地化を防いだ。日英同盟破棄から戦争への道へ。明治初期の日朝修好条規の不平等が今日の火種に。漢字仮名交じり文という日本語のカスタマイズ化が優れていた―今、転機を迎える日本の行く末を考えるときに必要な「分岐点思考」。今日の日本にいたる歴史上の分岐点12を独自の視点で解説した齋藤先生の新鮮な歴史エッセイ。

目次

第1部 日本社会(天皇制の分岐点 権威と権力を分離した不比等の慧眼
武家政権の分岐点 鎌倉から江戸へ武家政権の逆転劇
江戸東京の分岐点 江戸を中心に据えたことが大発展のもと
日本経済の分岐点 論語と算盤を矛盾なく結びつけた渋沢の功績)
第2部 外交・国防(大航海時代の分岐点 秀吉の「伴天連追放令」が日本を救った
日韓関係の分岐点 最初の「日朝修好条規」の不平等に起因
日米開戦の分岐点 日英同盟破棄からレーニンの予言どおりに進む
戦後日本の分岐点 日米安保条約に安住しすぎたか)
第3部 日本人の意識(宗教の分岐点 仏教も儒教も「日本化」されて独自のものに
日本語の分岐点 漢字を「かな混じり」にカスタマイズした利点
教育の分岐点 儒教と寺子屋が培った勤勉や和の精神
性意識の分岐点 夜這い文化の喪失から近代のジェンダーへ)

出版社・メーカーコメント

日本が今日の日本になった分岐点は歴史上のどの地点か。二千年以上続いている日本という国、それは世界的にも珍しいのではないか。この日本が今、グローバル化という名のもとに大いなる変動に直面している。今こそ新たな分岐点なのかもしれない。日本の未来を考えるとき、過去の分岐点を振り返ってみるのは役に立つだろう。「日本の明日はどっちだ!」。本書は日本史に造詣が深い斎藤孝先生が初めて歴史の解釈を披歴したきわめて意欲的な歴史読み解き本である。12の分岐点を設定して日本が日本たるゆえんを説明している。例えば1は藤原不比等による天皇制の成立である。絶対権力であった天皇を自分の娘を嫁として送り込むことで、後代の天皇に義父として権力をふるうというシステム。権威と権力を分離するという藤原氏のやり方が象徴天皇という独自の存在を作ってきた。これが日本的である。5は秀吉の「伴天連追放令」が日本の植民地化を防いだ。イエズス会による九州北部のキリシタン大名への侵略は日本人の人身売買など目に余るものがあった。大航海時代、世界各所で起こったスペイン・ポルトガルによる植民地化政策をかろうじて英断により防いだ秀吉の功績は大きい。いくつもの分岐点があるが斎藤先生の得意な日本語の問題にも触れている。10漢字を「かな混じり」という工夫によって日本語化した「カストマイズ」。日本人独特の輸入文化を日本風に使ってしまう知恵こそ日本的だという指摘。なるほどと納得。ほかに6「日韓関係」がゆがんだのは明治の「日朝修好条規」の不平等条約が悪いや、7「日米開戦から敗戦へ」では日英同盟破棄からレーニンの予測通りに敗戦に進んだ顛末、8「日米安保」の功罪の罪の部分の指摘など、かなり今日的な話題にも踏み込んでいるが、歴史の分岐点はどこだったのかととらえる「分岐点思考」から見ると、問題点がよく見えてくる。齋藤先生の提唱はこの「分岐点思考」のトレーニングこそ現代を生きる我々に必要だということである。歴史読みものであると同時に今日的な視点に貫かれていて優れた評論になっている。

著者紹介

齋藤 孝 (サイトウ タカシ)  
1960年静岡生まれ。明治大学文学部教授。東京大学法学部卒。同大学院教育学研究科博士課程を経て現職。『身体感覚を取り戻す』(NHK出版)で新潮学芸賞。『声に出して読みたい日本語』(毎日出版文化賞特別賞、草思社)がシリーズ260万部のベストセラーになり日本語ブームを作った(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)