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ケルトとは何か

講談社選書メチエ 833

出版社名 講談社
出版年月 2025年12月
ISBNコード 978-4-06-542026-3
4-06-542026-1
税込価格 2,090円
頁数・縦 241P 19cm

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商品内容

要旨

妖精たちが戯れる神秘的な世界、美しい文様の装飾写本、華やかな音楽文化、騎士と魔術師が活躍するアーサー王物語など、古くて魅力あるヨーロッパの基層文化とされる「ケルト」。しかしその多くは、近代に生み出された「伝統」だった。ナショナリズムに利用される一方で、ヨーロッパ統合の象徴となり、近代文明を批判する「癒し」も期待されるケルトの実像とは。歴史と言語、美術、文芸、考古学など多角的な視点で見えてくる、豊かな文化の広がりと、近年活況を示すケルト研究の現在。

目次

第一章 近代が生んだケルト文化
第二章 ケルト美術と考古学
第三章 文芸と民俗のなかのケルト
第四章 民族起源の伝説と史実
第五章 ケルト諸語の言語学
第六章 社会のなかのケルト諸語

出版社・メーカーコメント

妖精が現れる豊かな神話の世界、美しい文様の装飾写本、大きな輪を重ねた石造りの「ケルト十字架」、魔術師マーリンなどが活躍するアーサー王物語群など、ヨーロッパの古くて不思議な魅力がある文化−−ケルトをこのように思い浮かべる人は多いだろう。しかし本書によれば、アイルランドやスコットランドで特徴的なダンスや音楽、民族衣装をはじめ、ケルト美術の優品「タラ・ブローチ」「ケルズの書」なども、古代ケルト人に伝統をさかのぼるのは無理がある。では、近年の「ケルト懐疑論者」が主張するように、ケルトの「存在自体が怪しい」のかといえば、そうではない。ケルト文化の本質は、ケルト諸語によって営まれた文化である。スコットランド、ウェールズ、アイルランド、フランスのブルターニュ地方などの「ケルト文化圏」の主要言語であり、現在は少数言語となっているゲール語、ブレイス語などのケルト諸語の分析から、「ケルトとは何か」を根源的に問い直す。そこには豊かな言語文化の広がりと、現在も生きている伝統の厚みがあった。ある時は近代のナショナリズムに活用され、またある時はヨーロッパ統合の象徴となり、さらに近代文明を批判する「癒し」の精神性も期待される「ケルト」の虚像と実像とは。「ケルト人」と「ケルト文化圏」は、なぜ一致しないのか? ヨーロッパの「ケルト学」の成果と議論から、「歴史」と「文化」の深層がみえてくる。

著者紹介

原 聖 (ハラ キヨシ)  
1953年、長野県生まれ。東京外国語大学卒業。一橋大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。女子美術大学芸術学部教授を経て、女子美術大学名誉教授。専門は近代言語社会史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)