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道徳の系譜学に向けて

講談社学術文庫 2855

出版社名 講談社
出版年月 2026年2月
ISBNコード 978-4-06-542905-1
4-06-542905-6
税込価格 1,540円
頁数・縦 299P 15cm

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商品内容

要旨

フリードリヒ・ニーチェ(一八四四‐一九〇〇年)が狂気に沈む直前、一八八七年に完成した重要作。キリスト教に代表される旧来の価値観が自明視されなくなったにもかかわらず、いまだ人々を規定し続けている現実に対して、哲学は旧来の価値の由来を歴史的に問い、新たな価値を模索する企てに着手する。価値の揺らぐ時代に大家が送る渾身の新訳。

目次

序論
第一論考 「善良と邪悪」、「優良と劣悪」
第二論考 「負い目」、「やましい良心」および関連事項
第三論考 禁欲主義的諸理想は何を意味するか

出版社・メーカーコメント

フリードリヒ・ニーチェ(1844−1900年)は、1889年初頭に狂気の闇に沈み、健全な精神活動をなしえないまま生涯を送った。本書は、その直前にあたる1887年11月に出版された哲学者としての最晩年の著作である。本書の主題は、表題にあるとおり「道徳(Moral)」である。これは日本語では「価値観」とも言い換えることができる。では、なぜニーチェは価値観を問題視したのか。言うまでもなく、それはその価値観が自明視できなくなっていたからであり、そのままでは通用しなくなっていたからである。従来の価値観が通用しなくなっているにもかかわらず、それが依然としてニーチェ自身を含む人々の考え方や生き方を制約し、生きる意味を規定してしまっている、という矛盾した現実。それこそがニーチェを突き動かし続けた思想的動因にほかならなかった。それゆえ、新たな価値観を模索し、あらゆる基本的価値の転換を果たすことが最も重要な思想的課題である、というのがニーチェの時代診断である。ニーチェにとって、従来の価値観とはヨーロッパを支配してきたキリスト教的道徳の伝統の中で普遍的なものとされてきたものだったが、それは歴史的現象として発生し、揺れ動いてきたものでしかない。それゆえ、この主題は「系譜学」という手法で取り組む必要がある。−−本書は、初めてその認識に立った者による探究の開始を告げるものであり、だからこそニーチェは刊行2ヵ月後にあたる1888年1月、友人オーヴァーベックに宛てて次のように書いた。「本書を構成する三論考は、それぞれ個別的な第一動因を表現しています。〔…〕多様きわまりない要因すべてを最終的に勘案し、とりまとめて、道徳をある種、清算することも同様です。そういうことをするには、われわれはまだわたしの哲学の「前奏」段階にいます」。つまり、本書は、たとえ重要な成果をもたらしているとしても、まだほんの入り口にすぎず、この課題はここから続行される必要がある、とニーチェは考えていた…(後略)

著者紹介

ニーチェ,フリードリヒ (ニーチェ,フリードリヒ)   Nietzsche,Friedrich
1844‐1900年。ドイツの古典文献学者・哲学者
須藤 訓任 (ストウ ノリヒデ)  
1955年生まれ。大阪大学名誉教授。専門は、西洋近現代哲学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)