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明文堂書店黒部店のレビュー |
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掲載レビュー全218件 |
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このミスの隠し玉です。非常に隠し玉らしい。大賞ではないのには理由がありそれでも推されるのにも理由がある。ツッコミどころ満載で、謎も甘い。しかしこれがデビュー作。高橋由太さんや七尾与史さんのようになるかもしれない。ライトミステリとしてコーヒーを飲みながら軽い気持ちで読んでみてください。 (2012年09月29日) | ||
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ついに「飛空士」新シリーズ開幕。後に5人の英雄と2人の裏切り者と認識される7人の士官候補生による恋と空戦の物語。「恋歌」以上にスケールの大きな長い話になりそうです。彼らの交わした約束とは?守りたかったものとは? (2012年09月24日) | ||
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ハードすぎる。「ジウ」や「ストロベリーナイト」よりもダークでハード。真っ黒で真っ暗。読み応え充分で半端ない。次々と明らかになる展開と新事実。意味のない殺しはないが、その顛末はあまりにも哀しい。三章で再登場するある人物への違和感は読むにつれて大きくなりますが気にせず最後まで読むことをおススメします。戻って読んでもいいのですが、勢いがなくなるしこれはミステリではないのでドラマを観るように一気に読んで闇の彼岸にある仄かな明かりを感じ取ってください。明が暗を、暗が明をより際立たせます。 (2012年09月24日) | ||
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創元推理文庫といえば米澤穂信や大崎梢、似鳥鶏など好きな作家が多くついチェックしてしまう。それに加えて”永遠の38歳 柚木草平シリーズ”を復刊してくれた素晴らしいレーベルである。本作はシリーズ第9弾にして最高傑作と個人的に勝手に思っています。軽くて甘く見えるが、実は重くて苦い。しかもそれをサラリと書く樋口有介に、いつも唸らされる。著者のライフワーク。いつまでも読んでいたいシリーズ。(デビュー作「ぼくと、ぼくらの夏」は1988年刊行。四半世紀が経とうとしているが未だ色褪せない。青春小説として個人的なオールタイムベストの1、2を争う傑作。) (2012年09月09日) | ||
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死期が迫っている人達が死神と出逢い、死が訪れるまで生き抜く4編の連作短編集。少しずつ話がリンクしていて最後に繋がる。プロローグで始まり再びプロローグで終わる。終わりではなく、また始まる物語。「サクラダリセット」が個人的に好きで、本作も同様によかった。新刊が出れば買う。そんな作家さんが増えていく。 (2012年09月09日) | ||
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宮下奈都の代表作 | ||
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いろんな側面がある。家族小説、青春小説、お仕事小説、恋愛小説。地味で、泣かせる展開があるわけでもなく少女が悩みながらも大人になり大人になってからも迷い苦しみながらも成長していくのを丁寧に描いている。特に1歳下の妹との距離感・関係の描写は素晴らしい。若い女性だけでなくいろんな年代、もちろん男性にも読んでもらいたい1冊。 (2012年09月09日) | ||
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トンデモ小説。姿形を変え他人の人生を乗っ取り別人になり続ける。とんでもない理由でクラスメート30人を殺し、酷い好奇心から夫と子どもをも殺す。真相に迫ろうとしている輩にも容赦はしない。実際にはありえないくらい強引で力技なブラックユーモア溢れるミステリ。この殺人鬼、憎めません。小説だから愉しめる。黒いのにイヤな感じがしない。何だこれは!というビックリ感がクセになってしまう。ラストのネタを書きたくて主人公にお笑い芸人にならなかったらラーメン屋になりたいと言わせたのかな…このベタな感じも魅力です。 (2012年09月09日) | ||
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もっともっと売れてほしいと心から願う作家さんの一人 | ||
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柴崎友香が描く女性キャラクターはテンポのゆるい関西弁で心地よい。それを愉しむだけでも読む価値がある。それに加えてこの短編集はどうでもいいこと、タネ明かしがされず結局何だったの?これからどうなるのといったことが多く挿入されている。小説は現実より合理的で、普通ページ数も限られているからストーリーと関係のないことは書かれないし意味のない行動はテンポも悪くなるので書く必要はない、はずである。しかし夢のような現実を描いた小説は現実より現実っぽい。柴崎友香は柴崎友香。類似作家のいない唯一無二の存在。既刊の「次の町まできみはどんな歌をうたうの?」は粗削りながら青春小説として傑作。「寝ても覚めても」(本作に収録されている同名タイトルとは別もの)は恋愛小説として素晴らしい。いつ芥川賞を受賞してもおかしくない。まだ間に合います。 (2012年09月09日) | ||
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バチスタなど超人気作品を連発している作家にして医師である海堂尊。医療や医学に関する問題を提起されるだけだと難しすぎて理解出来ないかもしれない。それを小説にすることで考えさせる、このままでいいのかと。そんな海堂作品の中で個人的に一番好きなのが本作「ジーン・ワルツ」。テーマは不妊治療であり代理出産。併せて「マドンナ・ヴェルテ」を読むことをおススメします。 (2012年08月26日) | ||
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幼なじみについて書かれた6編の短編集。どの作品も豊島ミホ。片恋や恋愛一歩手前といった本来の魅力に加えて今までにないストレートで時には屈折している「あさなぎ」や表題作「夏が僕を抱く」は衝撃。「遠回りもまだ途中」に出てくる救いようのない将也が「文芸あねもね」に収録されている「真智の火のゆくえ」に登場する将也と同一人物と知り何故だかよかったと思った。「真智の〜」を読んでなければ本当に救いようがない。是非、こちらも読むことをおススメします。 (2012年08月26日) | ||
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中学の卒業式に10年後の再会を約束。夢と現実に揺れながら交互に語られる現状。まさに青春小説の決定版。タイトルはそのまんま豊島ミホの代名詞「エバーグリーン」 (2012年08月26日) | ||
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豊島ミホの本気が読める。中学2年のどうにもならない想い。20の連作短編。片想いの宝石箱。8〜9ページの掌編ばかりなのでリズム良く読み進められる。 (2012年08月26日) | ||
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再会がテーマの短編集。どれを読んでも「重松清」。人生、自分の思い通りになんてならないし、こんなはずじゃなかったと思うことの方が多い。辛くてしんどくても逃げ出せない。そこに小さな奇跡があり心に灯がともる。6編全てが素晴らしく、哀しくて切なくてやるせない、それでも心の中に「よかった」を残す。数年後に読むと今とは違ったものが見えてくるのだろう。こうして何度も読み返す本に出合う。それも奇跡の1つ。あなたもそんな体験をしに本屋さんに来ませんか? (2012年08月26日) | ||
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かなわぬ片想い(妄想)と好きではない彼氏。かなり厨二っぽいオタク女子の妄想と暴走が面白い。単行本で読んでいるはずなのに、ラストの印象が違って感じる。何度も読むっことで一度目では読み取れなかったことが分かりヨシカや二彼(霧島)の印象も変化したのか、それとも2年前のことなので忘れている部分が多いのか…発表されたばかりの「仲良くしようか」が文庫オリジナルで収録。こちらは不思議と何度も読み返してしまいます。何度読んでも完全に理解出来ていません。 (2012年08月26日) | ||
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綺麗な文章を書く作家さんで読む度に巧いなーとか、ここでその言葉を選ぶかと唸らせれていた。本作は、それが顕著だ。美しくて、危なっかしくて、痛々しい。今もはっきりと残っている傷を受け入れ、乗り越え、希望の光が差し込む。恋愛小説家として類稀な才能を持っておりこれからも多くの作品を読める幸せは何物にも代えがたい。「まばたきをして、まぶたに溜まった日差しを落としながら〜」なんて表現どこから出てくるんですか。 (2012年08月26日) | ||
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辻村深月の代表作、待望の文庫化 | ||
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ついに直木賞を受賞した辻村深月。ここ最近、「ツナグ」「本日は大安なり」「水底フェスタ」「オーダーメイド殺人クラブ」など賞レースにノミネートされたり、ドラマ化されたりで勢いがあった。個人的にはその源流は2009年に発表され直木賞候補にもなった本作だと勝手に思っている。映像化はトラブルの為なくなりましたが、原作忠実再現肯定派の私としては、なくなってよかったと感じています。物語の鍵となる場所に富山県高岡市を選んだことや翠の口調に藤子・F・不二雄先生への愛を感じる。終盤、タイトルの意味に気付きそれが語られる場面で母娘の愛に涙する。「ゼロハチゼロナナ」ではなく「ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。」 (2012年08月15日) | ||
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電子書籍版で既読だったのですが、紙媒体でも持っていたいと思い購入。本作は著者印税がそのまま被災地に寄付されます。個人的についつい手を出てしまうアンソロジー本。10名が参加しておりかなり厚く読み応えがあります。読みどころは、何といっても豊島ミホさんの新作。もう何度も読み返してしまいました。これからもボロボロになるまで読む自身があります。やっぱり豊島ワールド最高です。宮木さんの少女小説の傑作「雨の塔」の前日譚も読めますし南綾子さんや吉川トリコさんのもそれぞれ、っぽくてよかった。柚木麻子さんという未読のそしてかなり気になる存在になった作家に出会えたことも喜びの1つ。地元・富山出身の山内マリコさんの作品は金髪だけど美人じゃない、巨乳だけど野暮ったい冴えない残念留学生ブレンダと親友の私。2人のやりとりが何かいいです。レディーボーデンが冷蔵庫にあったら神に感謝したくなります。 (2012年02月29日) | ||
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青臭い。関口尚は、いつもそんな展開にしなくてもという場面をどこかに挿入する。お人よしの譲がちょっとおバカで破天荒なシンガーソングライターに振り回されながらも成長していく青春ストーリー。甘いだけやくっついたり離れたりするだけの話ではありません。集英社文庫オリジナルな夏にぴったりな1冊。 (2012年08月15日) | ||
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「きみはいい子」の中村初枝の作品。2004年に福音館から刊行された作品の文庫化。児童文学の為、難しい表現を使っておらずシンプルで入っていきやすい。複雑な家庭環境、特殊な職業、自分だけが「違う」という感情。それらを呑み込み消化出来たとき本当の家族になれる。読書感想文に何を読むか迷っている人におススメしたい1冊。 (2012年08月15日) | ||
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集英社文庫35周年を記念して刊行された4冊のうちの1冊。他の3冊と少し毛色が違ってバラエティに富んでいる。佐川光晴の「四本のラケット」は青春小説として飛び抜けている。勿論、伊坂幸太郎の「逆ソクラテス」も期待通りに素晴らしく、しかも書き下ろし。中村航の「さよなら、ミネオ」も著者の違った側面を見れて嬉しい。いろいろな魅力の詰まった8編。 (2012年08月15日) | ||
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