• 本

魂萌え!

出版社名 毎日新聞社
出版年月 2005年4月
ISBNコード 978-4-620-10690-8
4-620-10690-9
税込価格 1,870円
頁数・縦 477P 20cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  •  昨年4月に発売されてから大反響を呼び、今年の5月に映画化が決定した話題作の登場である。最近の著者の作品は暗い内容のものが続いていたが、本作はうってかわって、明るくたくましく第二の人生を生きる平凡な主婦に好感が持てる。夫の急死により、いままで平穏だった生活に降りかかる世間の荒波。とまどいながらも、環境に順応しながら次第に強くしぶとくなってゆく主人公の姿を通じ、女性とは現在をうまく生きることに優れた、現実感覚に富んだ生きものであることを感じさせられた。男が主人公では、きっとこうはならないだろうという気がする。六十歳を目前にしながら、将来への不安も吹き飛ばしてしまうような若々しい人生を送る姿に、心がしっとりと癒されてゆくのを体感できた。(のり)

    (2006年9月10日)

商品内容

文学賞情報

2005年 第5回 婦人公論文芸賞(第5回まで。後は中央公論文芸賞へ移行)受賞

要旨

夫の急死後、世間という荒波を漂流する主婦・敏子。六十歳を前にして、惑う心は何処へ?ささやかな“日常”の中に豊饒な世界を描き出した桐野夏生の新たな代表作。

おすすめコメント

夫の急死後、たった一人で世間という荒波に揉まれ、漂流しつづける主婦・敏子。『OUT』『グロテスク』につづく変貌する女性の物語。ささやかな日常の中に、豊穣な世界を描き出した、桐野夏生の新たな代表作。大反響の毎日新聞連載小説、待望の単行本化!

著者紹介

桐野 夏生 (キリノ ナツオ)  
1951年金沢市生まれ。93年、「顔に降りかかる雨」で第39回江戸川乱歩賞受賞。98年、「OUT」で第51回推理作家協会賞受賞。99年、「柔らかな頬」で第121回直木賞受賞。2003年、「グロテスク」で第31回泉鏡花文学賞受賞。2004年、「残虐記」で第17回柴田錬三郎賞受賞、同年「OUT」がエドガー賞(Mystery Writers of America主催)候補に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)