書店レビュー
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- 平山書店 (秋田県大仙市)
この巻よりローマは初めてイタリア半島の外、地中海に出る。カルタゴとの間に行われた「ポエニ戦役」の始まりだ。その前、半島統一の過程でローマが見せた独特の一面を思い出して欲しい。それは、敗者を同化して版図を広げてゆくことにあった。敗れた彼らが自治を許された代わりに要求されたのは戦時における兵力の提供であった。
戦時ともなると当然、様々な部族出身の兵隊が一つに集められる。そのような兵たちを軍隊として機能させるため、ローマの軍規律は厳しいことこのうえなかったという。先に第1巻のところで、ローマは”ヨーロッパに秩序を与えた”と紹介したが、その起源はこの彼ら独特の発展の仕方にあったといえよう。
さて、規律と秩序を定めたローマが、この時期ギリシャの優美性に憧れを抱いた事実が知られている。それは、いみじくも『世界残酷物語』の著者コリン・ウィルソンが、「ローマ人は想像の世界に住むことをついに学ばなかった」と評したように、自らに欠けているものへの羨望だったのかもしれない。 NORI(2011年12月5日)
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商品内容
要旨 |
紀元前三世紀後半、イタリア半島を統一したローマは、周辺諸国にとって無視できない存在になっていた。そのローマに、紛争絶えないシチリアの小国が救援を依頼。ローマは建国以来初めて、海を渡っての兵の派遣を決める。しかしそれは、北アフリカの大国カルタゴとの対決も意味していた―地中海の覇権を巡って争われ、戦争史上に残る大戦「ポエニ戦役」、その前半戦を描く。 |
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おすすめコメント
ローマとカルタゴが地中海の覇権をかけて争ったポエニ戦役を、ハンニバルとスキピオという稀代の名将二人の対決を中心に描く「ハンニバル戦記」の上巻。