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ローマ人の物語 3

ハンニバル戦記 上

新潮文庫

出版社名 新潮社
出版年月 2002年7月
ISBNコード 978-4-10-118153-0
4-10-118153-5
税込価格 506円
頁数・縦 151P 16cm
シリーズ名 ローマ人の物語

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • この巻よりローマは初めてイタリア半島の外、地中海に出る。カルタゴとの間に行われた「ポエニ戦役」の始まりだ。その前、半島統一の過程でローマが見せた独特の一面を思い出して欲しい。それは、敗者を同化して版図を広げてゆくことにあった。敗れた彼らが自治を許された代わりに要求されたのは戦時における兵力の提供であった。
    戦時ともなると当然、様々な部族出身の兵隊が一つに集められる。そのような兵たちを軍隊として機能させるため、ローマの軍規律は厳しいことこのうえなかったという。先に第1巻のところで、ローマは”ヨーロッパに秩序を与えた”と紹介したが、その起源はこの彼ら独特の発展の仕方にあったといえよう。
    さて、規律と秩序を定めたローマが、この時期ギリシャの優美性に憧れを抱いた事実が知られている。それは、いみじくも『世界残酷物語』の著者コリン・ウィルソンが、「ローマ人は想像の世界に住むことをついに学ばなかった」と評したように、自らに欠けているものへの羨望だったのかもしれない。 NORI

    (2011年12月5日)

商品内容

要旨

紀元前三世紀後半、イタリア半島を統一したローマは、周辺諸国にとって無視できない存在になっていた。そのローマに、紛争絶えないシチリアの小国が救援を依頼。ローマは建国以来初めて、海を渡っての兵の派遣を決める。しかしそれは、北アフリカの大国カルタゴとの対決も意味していた―地中海の覇権を巡って争われ、戦争史上に残る大戦「ポエニ戦役」、その前半戦を描く。

おすすめコメント

ローマとカルタゴが地中海の覇権をかけて争ったポエニ戦役を、ハンニバルとスキピオという稀代の名将二人の対決を中心に描く「ハンニバル戦記」の上巻。

著者紹介

塩野 七生 (シオノ ナナミ)  
1937年7月7日、東京生まれ。学習院大学文学部哲学科卒業後、イタリアに遊学。68年に執筆活動を開始し、「ルネサンスの女たち」を「中央公論」誌に発表。初めての書下ろし長編『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』により1970年度毎日出版文化賞を受賞。この年からイタリアに住む。82年、『海の都の物語』によりサントリー学芸賞。83年、菊池寛賞。92年より、ローマ帝国興亡の一千年を描く「ローマ人の物語」にとりくむ。93年、『ローマ人の物語1』により新潮学芸賞。99年、司馬遼太郎賞。2002年、イタリア政府より国家功労賞を授与される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)