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獄中記

出版社名 岩波書店
出版年月 2006年12月
ISBNコード 978-4-00-022870-1
4-00-022870-6
税込価格 2,090円
頁数・縦 502,6P 20cm

商品内容

要旨

二〇〇二年五月一四日―。佐藤優は、背任・偽計業務妨害という微罪容疑で逮捕され、五一二日間、東京拘置所に勾留された。接見禁止のカフカ的不条理のなか、外交官としての死を受け入れ、神との対話を続けながら世捨て人にならず、人を恨まず、嫉妬せず、裏切らず、責任転嫁をせず、転向もせず、人間としての尊厳を保ちながら、国家公務員として国益の最大化をはかるにはいかにすべきか?この難題に哲学的ともいうべき問いによって取り組んだ六二冊の獄中ノートの精華。狭い煉獄での日常に精神の自由を実感しながら、敵を愛する精神とユーモアを失わずに、人間についての思索を紡いだ日記と、新しい同僚や友人に国家再生の道を綴った書簡から成る。憂国の士が綴った国家への復命書にして、現代の日本が生んだ類まれな記録文学。

目次

序章
第1章 塀の中に落ちて―二〇〇二年五月二〇日(七日目)から七月二八日(七六日目)まで
第2章 公判開始―七月二九日(七七日目)から九月二七日(一三七日目)まで
第3章 獄舎から見た国家―九月二八日(一三八日目)から一二月三一日(二三二日目)まで
第4章 塀の中の日常―二〇〇三年一月一日(二三三日目)から六月一五日(三九八日目)まで
第5章 神と人間をめぐる思索―六月一八日(四〇一日目)から八月二八日(四七二日目)まで
第6章 出獄まで―八月二九日(四七三日目)から一〇月九日(出獄後一日目)まで
終章
付録

著者紹介

佐藤 優 (サトウ マサル)  
1960年東京都生まれ。同志社大学大学院神学研究科修了の後、外務省入省。在英日本国大使館、ロシア連邦日本国大使館に勤務した後、95年より外務省本省国際情報局分析第一課において勤務。1998年より主任分析官として活躍。2002年5月、背任容疑で逮捕、(7月に偽計業務妨害容疑で再逮捕)その後512日間東京拘置所に勾留される。05年2月執行猶予付き有罪判決(懲役2年6か月)を受け、現在控訴中。著書に『国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて』(2005年、新潮社、第59回毎日出版文化賞特別賞受賞)、『自壊する帝国』(新潮社、2006年、第5回新潮ドキュメント賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)