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津波の霊たち 3・11死と生の物語

出版社名 早川書房
出版年月 2018年1月
ISBNコード 978-4-15-209742-2
4-15-209742-6
税込価格 1,980円
頁数・縦 328P 19cm

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要旨

1万8000人を超える犠牲者を出したとされる2011年3月11日の東日本大震災。犠牲者の大多数が東北、北海道、北関東の太平洋岸を襲った大津波によるものだ。本書は、在日20年の英国人ジャーナリストが、この未曾有の大災害が東北の人々の心と行動にもたらした余波を、6年の歳月をかけて綿密な取材により描き出したルポルタージュ。その焦点は、「宮城県石巻市立大川小学校の悲劇」と「被災地で相次ぐ幽霊の目撃談」に当てられている。前者は、学校の裏の里山に避難できる可能性があったにも関わらず74人の児童と10人の教職員が津波に呑み込まれた悲惨な事件。後者については、除霊と祈祷、カウンセリングに取り組む仏教僧にスポットを当てている。著者は、英『ザ・タイムズ』紙アジア編集長および東京支局長。著書に『黒い迷宮』(ハヤカワ・ノンフィクション文庫)がある。なお、ダイジェストでは幽霊目撃のテーマの部分を抜粋した。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2018年03月30日]

商品内容

要旨

在日20年の英国人ジャーナリストは、東北の地で何を見たのか?2011年3月11日、東日本大震災発生。その直後から被災地に通い続けたロイド・パリー記者は、宮城県石巻市立大川小学校の事故の遺族たちと出会う。74人の児童と10人の教職員は、なぜ津波に呑まれたのか?一方、被災地で相次ぐ「幽霊」の目撃談に興味を持った著者は、被災者のカウンセリングを続ける仏教僧に巡り会う。僧侶は、津波の死者に憑かれた人々の除霊を行なっていた。大川小の悲劇と霊たちの取材はいつしか重なり合い―。傑作ルポ『黒い迷宮』の著者が6年の歳月をかけ、巨大災害が人々の心にもたらした見えざる余波に迫る。

目次

プロローグ 固体化した気体
第1部 波の下の学校
第2部 捜索の範囲
第3部 大川小学校で何があったのか
第4部 見えない魔物
第5部 波羅僧羯諦―彼岸に往ける者よ

著者紹介

パリー,リチャード・ロイド (パリー,リチャードロイド)   Parry,Richard Lloyd
英“ザ・タイムズ”紙アジア編集長および東京支局長。20年以上、東京に暮らす。1969年生まれ、英国・マージーサイド州出身。オックスフォード大学卒業。1995年に“インディペンデント”紙の特派員として来日。2002年より“タイムズ”紙へ。日本、朝鮮半島、東南アジアを主に担当。これまでにアフガニスタン、イラク、コソボなど28カ国・地域を取材し、イラク戦争、北朝鮮危機、タイやミャンマーの政変、東日本大震災などを報じてきた。2005年には、インド洋大津波の取材と二重被爆者の故・山口彊氏へのインタビューでBBC(英国放送協会)の番組の「今年の外国特派員」賞を受賞
濱野 大道 (ハマノ ヒロミチ)  
翻訳家。ロンドン大学・東洋アフリカ学院(SOAS)タイ語および韓国語学科卒業、同大学院タイ文学専攻修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)