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三鬼 三島屋変調百物語四之続

出版社名 日本経済新聞出版社
出版年月 2016年12月
ISBNコード 978-4-532-17141-4
4-532-17141-5
税込価格 1,980円
頁数・縦 565P 20cm

商品内容

要旨

江戸の洒落者たちに人気の袋物屋、神田の三島屋は“お嬢さん”のおちかが一度に一人の語り手を招き入れての変わり百物語も評判だ。訪れる客は、村でただ一人お化けを見たという百姓の娘に、夏場はそっくり休業する絶品の弁当屋、山陰の小藩の元江戸家老、心の時を十四歳で止めた老婆。亡者、憑き神、家の守り神、とあの世やあやかしの者を通して、せつない話、こわい話、悲しい話を語り出す。「もう、胸を塞ぐものはない」それぞれの身の処し方に感じ入る、聞き手のおちかの身にもやがて、心ゆれる出来事が…。日経朝刊連載「迷いの旅篭」、待望の単行本化!

おすすめコメント

冬に贈る怪談語り、変わり百物語。鬼は人から真実を引き出す。人は罪を犯すものだから。心が震え、身が浄められる。江戸の洒落者たちに人気の袋物屋、神田の三島屋は“お嬢さんWのおちかが一度に一人の語り手を招き入れての変わり百物語も評判だ。村でただ一人お化けを見たという百姓の娘に、夏場はそっくり休業する絶品の弁当屋、小藩の元重臣、心の時を十四歳で止めた老婆……訪れた客が語り出したのは―― 第一話「迷いの旅籠」 中原街道沿いのとある農村。領主が突然、村人たちに祭りの中止を申し渡した。村中が喧々囂々となる中、名主の家に居候していた他所者の絵描きが事を収めてしまった。絵描きが凝らした趣向の美しさに村じゅうが魅せられるのだが、そこに迷い込んできたのは……。第二話「食客ひだる神」 三島屋がひいきにしている<だるま屋>の花見弁当は絶品。亭主は上総の国から江戸に出てきた男。帰郷した折、道中である怪異を経験する。その後、働き者の亭主はついに念願の弁当屋を構えるのだが、弁当屋を影で支えていたのは、実は……。第三話「三鬼」 山陰の小藩の元江戸家老が語り手。時の藩主の失政により人心は荒廃し、彼が下級藩士だった頃、家族がむごい事件に巻き込まれた。怒りに燃える復讐者となった彼は、やがて険しい山に送り込まれることになったのだが、そこで見たものとは――鬼がおります。第四話「おくらさま」 若い娘のなりをした老婆の家には守り神がいて、姉妹がお世話するのが仕来り。老婆が十四歳の春の怪異を語り出したところ……三島屋シリーズ初登場の飄々とした男が大活躍。おなじみの面々も加わり、やがて、おちかの身にも心ゆれる出来事が。

著者紹介

宮部 みゆき (ミヤベ ミユキ)  
1960年生まれ。東京都出身。87年「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。92年『龍は眠る』で第四五回日本推理作家協会賞。同年『本所深川ふしぎ草紙』で第一三回吉川英治文学新人賞。93年『火車』で第六回山本周五郎賞。97年『蒲生邸事件』で第一八回日本SF大賞。99年『理由』で第一二〇回直木三十五賞。2001年『模倣犯』で第五五回毎日出版文化賞特別賞、第五回司馬遼太郎賞、第五二回芸術選奨文部科学大臣賞をそれぞれ受賞。07年『名もなき毒』で第41回吉川英治文学賞。08年英訳版『BRAVE STORY』でThe Batchelder Award受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)