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黒い自画像

角川文庫 あ7−18

出版社名 角川書店
出版年月 2006年8月
ISBNコード 978-4-04-157624-3
4-04-157624-5
税込価格 607円
頁数・縦 279P 15cm

商品内容

要旨

「見たことがある。私に似ている。みんな年を取るとあんな顔になる…」。ふとよみがえる過去。内側から、私に囁きかける声。あのとき選ばなかった人生を、もし、歩んでいたら。いるはずのないもう一人の自分が、なぜか、今日は強く感じられる。生死の境が、まざまざと意識される。人生半ばを過ぎた15人の男女、15様の述懐。遠い過去へのほろ苦い郷愁。平凡な日日を突然襲う、心の陥穽を、精妙な筆致で綴った傑作短篇集。

おすすめコメント

日常の裂け目。いつものあの人の、ほの暗さが顔を覗かせるその瞬間−− 誰もがこころに抱える、暗い闇、黒い思い出。問わず語りに答える15人の「私」がおりなす、心に焼きついたあの不可解な出来事――。3人の愛人を渡り歩く男を見た青年のつぶやきなど、人間の暗部に触れた短編集。

著者紹介

阿刀田 高 (アトウダ タカシ)  
1935年東京都生まれ。作家。早稲田大学文学部卒。著書に、短篇集『ナポレオン狂』(直木賞受賞)ほか、『新トロイア物語』(吉川英治文学賞受賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)