愛なき世界
| 出版社名 | 中央公論新社 |
|---|---|
| 出版年月 | 2018年9月 |
| ISBNコード |
978-4-12-005112-8
(4-12-005112-9) |
| 税込価格 | 1,760円 |
| 頁数・縦 | 447P 20cm |
書店レビュー
総合おすすめ度:
全1件
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愛なき世界
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おすすめ度
- ほんのいえ宮脇書店越谷店 (埼玉県越谷市)
本屋さんでひときわ目立つブルーバックにした植物をあしらった見事な装丁。
どっぷりと肩までつからせてもらった気分になる学術的な研究の話も、三浦しをんの独特なユーモアが、お堅いイメージの理系の世界へとやさしくいざなってくれる。作者の徹底した探究心が、物語に説得力をもたらしてくれています。かつて「舟を編む」で辞書作りの世界を描いた深掘り感が今回もたっぷりと漂っている。ストーリーに大きな盛り上がりがなくても、静かにほのぼのと時間が流れていく小説が成立するんだなとあらためて感じさせてくれる。これもひとえに作者の力量なのでしょう。次のテーマが何になるんだろう、と先走った期待感さえわいてくる。登場人物にキャラが立っていて、映画化も十分にありえるでしょう。(2019年2月23日)
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商品内容
| 要旨 |
恋のライバルは草でした(マジ)。洋食屋の見習い・藤丸陽太は、植物学研究者をめざす本村紗英に恋をした。しかし本村は、三度の飯よりシロイヌナズナ(葉っぱ)の研究が好き。見た目が殺し屋のような教授、イモに惚れ込む老教授、サボテンを巨大化させる後輩男子など、愛おしい変わり者たちに支えられ、地道な研究に情熱を燃やす日々…人生のすべてを植物に捧げる本村に、藤丸は恋の光合成を起こせるのか!?道端の草も人間も、必死に生きている。世界の隅っこが輝きだす傑作長篇。 |
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おすすめコメント
恋のライバルが人間だとは限らない! 洋食屋の青年・藤丸が慕うのは植物≠フ研究に一途な大学院生・本村さん。殺し屋のごとき風貌の教授やイモを愛する老教授、サボテンを栽培しまくる「緑の手」をもつ同級生など、個性の強い大学の仲間たちがひしめき合い、植物と人間たちが豊かに交差する――本村さんに恋をして、どんどん植物の世界に分け入る藤丸青年。小さな生きものたちの姿に、人間の心の不思議もあふれ出し……風変りな理系の人々とお料理男子が紡ぐ、美味しくて温かな青春小説。