空間は現代における最高の贅沢である。都会では、限られた予算でまかなえる空間のサイズは小さくなる一方だ。しかし狭小空間が生活水準の低下につながるとは限らない。なぜなら狭小空間には、簡素さや隔離された心地よさといった人々を魅了する力があるからだ。こういった小さな空間がもつ魅力を引き出し、機能性に優れた快適なリビングスペースに変える方法を取り上げた本書は、テレンス・コンラン本人による充実の解説と世界中からセレクトされた豊富な実例によって構成されている。住まいを機能別に分割させずにひとつの連続体として捉えながらプランの可能性を探るコンランのデザイン姿勢には、学ぶところが大きい。また、章ごとに掲載された間取り図付きのケーススタディからも、独創的で熱意あふれるさまざまなアイデアを得ることができる。本書は、住まいを完全にリフォームしようとしている人にとっても、散らかっていたり使っていなかった空間を合理的に使えるようにしたいと願う人にとっても役に立つ一冊である。

空間について考える
移動する＆分割する
空間を光と空気で満たす
色、パターン、テクスチャーを使う
物を整理する

コンラングループの最高責任者テレンス・コンランが「狭小空間」の魅力を語る。充実のインテリアブック。