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君が降る日

幻冬舎文庫 し−33−1

出版社名 幻冬舎
出版年月 2012年4月
ISBNコード 978-4-344-41843-1
4-344-41843-3
税込価格 660円
頁数・縦 269P 16cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 芥川賞や直木賞を獲れなくてもいいです

    丁寧で綺麗な文章の中にいくつもの毒が散りばめられている。君が降る日…表題作。魔法少女ものかセカイ系かと思わせるタイトルだが当然そんなことはなく同じ傷を持つ者同士が惹かれあいそして…という非常に島本さんらしい作品。冬の動物園…振られたばかりの20代女性と年下の男の子との恋の始まり。島本さんなのに安心してラストまで読める清々しい作品。野ばら…こういう作品をさらりと書くから読むのをやめられない。一番好きです。彼女が恋愛小説家であり純文学的な薫りを充分に備えていることを強く意識させられる。ラストの衝撃と余韻は分かっていたことではあるが、それでも息が詰まる。

    (2012年5月17日)

商品内容

要旨

恋人の降一を事故で亡くした志保。その車を運転していた降一の親友・五十嵐。彼に冷たく接する志保だったが、同じ哀しみを抱える者同士、惹かれ合っていく「君が降る日」。結婚目前にふられた女性と年下の男との恋「冬の動物園」。恋人よりも友達になることの難しさと切なさを綴った「野ばら」。恋の始まりと別れの予感を描いた三編を収録した恋愛小説。

著者紹介

島本 理生 (シマモト リオ)  
1983年、東京都生まれ。98年、「ヨル」で「鳩よ!」掌編小説コンクール第二期10月号当選(年間MVP受賞)。2001年「シルエット」で群像新人文学賞優秀賞を受賞。03年『リトル・バイ・リトル』で野間文芸新人賞を受賞。04年「生まれる森」、06年「大きな熊が来る前に、おやすみ。」で芥川賞候補に、11年『アンダスタンド・メイビー』で直木賞候補になる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)