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神智学とアジア 西からきた〈東洋〉

出版社名 青弓社
出版年月 2022年8月
ISBNコード 978-4-7872-2095-0
4-7872-2095-0
税込価格 4,180円
頁数・縦 255P 21cm

商品内容

要旨

オカルティズムからニューエイジ、現代のスピリチュアリティへと続く霊的な思想の要所にあり、アジアの宗教にも影響を与え、東西にまたがる活動をおこなった神智学運動。その越境性と分野横断的な営為、人的な交流を、近代の帝国主義やメディアの発達なども踏まえて多角的に検証する。

目次

第1部 勃興(神智学略史―人と思想と組織
二つの神智学協会―寿命を延ばすこと、条件つきの不死、個体化された不死のモナド
弟子の肉体―十九世紀末アイルランドの神智学運動をめぐって)
第2部 接触(南アジアのスピリチュアルなナショナリズム
近代中国の神智学運動
ウィリアム・スタージス・ビゲロウと神智学―近代オカルティズムが生んだアメリカ人仏教徒
アメリカで秘教思想に出会った日本人たち)
第3部 波及(田岡嶺雲と神秘思想
九鬼周造と輪廻転生―両大戦間の知的環境における「時間論」の位置)

出版社・メーカーコメント

神智学運動は、オカルティズムからニューエイジ、現代のスピリチュアリティへと続く霊的な思想の要所にありながら、宗教だけでなく、19世紀末から20世紀の政治や社会などに様々な影響を及ぼした。欧米で誕生した神智学は、どのようにアジアに広まり、受容され、それぞれの社会にインパクトを与えたのか。創立者であるヘレナ・P・ブラヴァツキーの思想や活動を押さえながら、神智学協会の性格やその変容、ヨーロッパでの展開、植民地との関係を明らかにする。そして、南アジアのナショナリズムとの結節、近代中国での展開、日本仏教との関わりなど、アジアでの受容の実態を掘り起こす。アジアの宗教にも影響を与え、東西にまたがる活動をおこなった神智学の越境性と分野横断的な営為、人的な交流を、近代の帝国主義、グローバリズム、メディアの発達なども踏まえて多角的に検証する。神智学運動をテーマにした日本初の論集。

著者紹介

吉永 進一 (ヨシナガ シンイチ)  
静岡県生まれ、2022年3月31日逝去。元舞鶴工業高等専門学校教授・龍谷大学世界仏教文化研究センター客員研究員。専攻は近代宗教史、秘教思想史
岡本 佳子 (オカモト ヨシコ)  
愛媛県生まれ。国際基督教大学アジア文化研究所研究員。専攻は近代日本思想史、アジア文化交流史
莊 千慧 (ツァン チェンフェイ)  
台湾新竹生まれ。神戸女子大学文学部准教授。専攻は近代日中比較文化(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)