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冥談

幽BOOKS

出版社名 メディアファクトリー
出版年月 2010年3月
ISBNコード 978-4-8401-3235-0
4-8401-3235-6
税込価格 1,518円
頁数・縦 268P 20cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 僕は生きているのだろうなぁ

    あの世とこの世の境界線。自分の生がぼんやりしたり、足元が急に不安定になったり‥。京極氏が紡ぐのは、悲しくも切ない話だ。ほの瞑い座敷の奥で、留守をまかされた主人公がそのまま静かに朽ちていきそうな「庭のある家」。子供の頃祖母の生家に行った主人公がその一室で出会う少女の話「冬」。黄泉の入り口に捨てられた死人の煩悩。“死人の業が溜まる場所”で耳にする言葉が、主人公の胸に突き刺さる「風の橋」。怪異と隣り合わせの現世。身近な空間がふとした瞬間にあの世とつながる不安を、京極氏は見事に描く。

    (2010年6月3日)

商品内容

要旨

生と死のあわいをゆく、ほの暝い旅路―これぞ真骨頂!著者の「核心」に迫る、怪しき短篇小説集。

おすすめコメント

渡り終えるまで喋ってはいけない。なにかを聞くだけで、決して答えてはいけない。そこは、死者の声が聞こえる魔所だった……。生と死の狭間を、細やかな筆致と巧みな構成で描き上げ、京極小説の先にある、もうひとつの「核心」に迫る短篇小説集。怪談専門誌『幽』の連載に書き下ろしを加えた全8篇を収録。「幽かな物語」を描いた『幽談』に連なるシリーズ第二弾。

著者紹介

京極 夏彦 (キョウゴク ナツヒコ)  
1963年、北海道生まれ。小説家、意匠家、全日本妖怪推進委員会肝煎。94年、『姑獲鳥の夏』でデビューする。96年『魍魎の匣』で日本推理作家協会賞、97年『嗤う伊右衛門』で泉鏡花文学賞、2003年『覘き小平次』で山本周五郎賞、04年『後巷説百物語』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)