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数学を使わない数学の講義

WAC BUNKO B−272

出版社名 ワック
出版年月 2018年2月
ISBNコード 978-4-89831-772-3
4-89831-772-3
税込価格 1,012円
頁数・縦 285P 18cm

商品内容

要旨

学生時代、数学が苦手だったという方も多いだろう。しかし、「数学の論理」と「数学のオペレーション(計算などの操作)」はまったく別物だ。人間の能力としても、まるで別の分野に属するものである。因数分解や幾何の補助線の引き方など、数学の能力とは関係がない。数学の基本になる発想はまことにおもしろく、かつ有益なものなのである。数学の論理は単純明快。「論理的発想」を身につければ仕事も人生もうまくいく!

目次

第1章 存在問題―近代数学最大の貢献 論理的発想の基本―まず「解の存在」の有無を明確化せよ(はたして解けるのか、解けないのか―無駄な努力を排し、“やる気”を保証する
社会観察にどう応用するか―人間の悩みの根元は、すべて「存在問題」にある)
第2章 集合論―数学の本質 数学的思考とは何か―日本人が世界で通用するための基本要件(「論理」の国と「非論理」の国―なぜ、日本型行動様式は諸外国に理解されないのか
「法の精神」の根底にも数学がある―論理の世界から日本流曖昧社会を点検する)
第3章 必要条件と十分条件 矛盾点を明確に掴む法―論理学を駆使するための基本テクニック(論理矛盾は、どこから生まれるか―「必要条件」と「十分条件」を峻別する意義
人間の精神活動を数学的に読む―宗教・イデオロギーの骨子とは何か)
第4章 非ユークリッド幾何学―否定からの出発 科学における「仮定」の意味―近代科学の方法論を決定した大発見(非ユークリッド幾何学の誕生―背理法で証明できなかったユークリッドの第五公理
近代科学の基本となった発想法―なぜすべては仮説にすぎないのか)
第5章 数量化の意義 「常識の陥穽」から脱する方法―日本には、なぜ本当の意味での論争がないのか(数学の背景を読む―「数量化」が意味を持つための三つの条件
「全体」と「部分」の混同―「アローの背理」が明らかにした社会観察手段)

著者紹介

小室 直樹 (コムロ ナオキ)  
政治学者、経済学者。1932年東京生まれ。京都大学理学部数学科卒業。大阪大学大学院経済学研究科、東京大学大学院法学政治学研究科修了。法学博士。フルブライト留学生としてアメリカに留学、ミシガン大学大学院でスーツ博士に計量経済学を、マサチューセッツ工科大学大学院でサムエルソン博士(1970年ノーベル賞)とソロー博士(1987年ノーベル賞)に理論経済学を、ハーバード大学大学院ではアロー博士(1972年ノーベル賞)とクープマンス博士(1975年ノーベル賞)に理論経済学を、スキナー博士に心理学を、パースンズ博士に社会学を、ホマンズ教授に社会心理学を学ぶ。2010年9月逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)