トップ > 書店ホームページ >
渕書店 BOOKSTORE FUCHIのレビュー

書店ホームページを見る

1 2 3 4 5

掲載レビュー全99件
 
砂上
桜木紫乃/著
KADOKAWA
税込価格  1,620円
 
現在ご注文できません
商品詳細画面へ
本作は読む者に、ある種「覚悟」を強いるー 。
おすすめ度:
とても暗い小説だなという感想がまずある。舞台は札幌から少し離れた町。寂しさと共にその情景は描かれ作品の最後まで読者の気持ちを引っ張ってゆく。雑誌の小さなエッセイ賞に引っかかった小説家志望の柊令央は直後に出版社編集者の小川乙三に喫茶店に呼び出される。別れた夫から毎月支払われるわずかな慰謝料とアルバイトでの生活をしている40歳。乙三はそこで作中でしつこいほど登場する「主体性がない」という言葉を令央に浴びせる。そして編集者としての冷徹さで数え切れないほどの書き直しを令央に命じる。生半可な夢として小説を書き続きていた令央だが乙三との出会いにより小説に真正面から向き合うことになる。日常の丹念な書き込みは読み進めてゆくうちに骨に沁みるような痛みを読者に強いる。主人公自体の生活は地味だが彼女が関係する家族の有り様は普通とはとても言えず、書き直しを続ける小説自体の中にどんどん組み込まれ虚構と現実との区別が不明になるようなものへと変わってゆく。暗いと感じた本作であるが、主人公に心情を重ね、成長や、その先にある希望を知るためにそれは覚悟しなければならないものなのかとも思った。
(2017年10月19日)
キレる女懲りない男 男と女の脳科学
ちくま新書 988
黒川伊保子/著
筑摩書房
税込価格  821円
 
通常1〜2日で出荷
商品詳細画面へ
人類がヒト科を地球から絶やさぬため、必ず読むように!!
おすすめ度:
コンピューター・メーカーで人工知能プロジェクトの一員として働いていたという著者。その研究から男女の脳を科学的に分析。特徴を明らかにし、取扱説明書(トリセツ)にしてその扱い方を指南したユーモアと毒をあわせ持つ禁断の書。女性は目前にある現象から昔の記憶をすぐに取り出しそれを答えとするとか、男は女より技術や決まったことの精度を高める面があるとか。なぜか?大前提が男女では脳梁という器官の太さが歴然と違うということ。この脳梁、右脳と左脳に脳神経細胞(ニューロン)を連携させる器官。また、信号特性であるそれぞれのホルモンに脳は反応し各々の行動を誘発するという。日常で異性に対して苛立ったり違和感を覚えたりする傾向は科学的根拠に基づいているものであり、そこから「トリセツ」をあぶりだせば、相互理解が深まり、お互いを取り扱うこともできるからというわけだ。「オーブントースターにふっくらごはんを・・(本文)」というようなことを期待するな、と。ー本書が生まれたきっかけは、男女雇用機会均等法が施行されたことにあるらしく、単に雇用条件を平均にするだけでは女性は男性型に作られていた社会に放り込まれるだけで、サバイバルするために女性脳的なものを捨てざるを得なくなり、結果として社会は少子化に向かうーと、憂慮したことなどにあるよう。男性化する女性脳は本来「猥雑と例外のかたまり」である育児に耐えられないー。ここで付記しておかなければならないのは、本書はある規定において脳の性格を男女に分けて説明しているだけで、男性が必ずしも男性脳のみで、女性はその逆で、活動をしているわけではないと言ってるところ。割り切りなど不可能だと。そこを踏まえて読まないと本書は納得のいかないものとなる。現に著者は同一性障害の人を取り上げ「最強の脳(本文)」かもしれないと洩らす。さらに何も徹底的に合理化されている社会に女性は不向きというわけではなく、女性脳は組織の能力向上のためには必要というようなことも言う。人類が男女間の諍いで人類を絶滅させないために必ず読むようにしたいのが本書であったりなかったりする (2017年10月09日)
日本の歴史 集英社版学習まんが 全面新版 特価セット 20巻セット
設楽博己/ほか監修
集英社
税込価格  19,440円
 
通常1〜2日で出荷
商品詳細画面へ
第二巻。中央集権という国家思想の始まりの始まり。
おすすめ度:
ヤマト政権の長へ蘇我氏を通じ百済から仏像・経典が届く(538年)。この信仰に物部氏が反対するが大陸文化を伝え発展に寄与した渡来人に仏教徒が多いため受け入れられる。両氏はぶつかり蘇我氏が勝利。仏教文化は天皇の血統にある厩戸王(聖徳太子)を中心に広まる。王の象徴が古墳から寺院へ。厩戸王を側にし女帝推古天皇が誕生。百済中心に文化を築いたヤマトだが大陸に隋という国が出来上がっていた。厩戸王は推古天皇に遣隋使を送ることを進言。厩戸王は冠位十二階で氏姓による権力構造を能力中心へ。仏教を規範に役人の心構え、道徳が示された憲法十七条が制定され飛鳥文化という仏教文化が倭に浸透。2回目の遣隋使小野妹子が隋との国交を成立させる。歴史書「天皇記」「国記」が完成。隋はその後、唐に。厩王戸、蘇我馬子、推古天皇と飛鳥時代を築いた3人が死亡。その後、厩戸王一族は蘇我入鹿に滅亡させられる。唐で学んだ者達の塾に中臣鎌足がいた。彼は蘇我氏中心の政治に行く末を案じ、厩戸王の目指した王君中心の国家体制を唱え、中大兄皇子と組んだ蘇我氏滅亡となるクーデター「乙巳の変」を起こす。645年孝徳天皇が即位。孝徳天皇は史上初めての年号「大化」を制定。「公地公民・班田収授」などで豪族の土地が国のものに、民に区分された土地から税が生まれ中央集権国家が誕生。「乙巳の変」からのこの流れは「大化改新」と呼ばれる。唐と百済は争いを続け、両国と国交を続けたい中大兄皇子は唐に外交に絞ろうとする孝徳天皇と袂を分かち都を飛鳥に戻し飛鳥は発展する。その後唐と新羅が百済を攻める。倭はそれらに対峙することを決めるが唐の圧倒的な軍事力に敗れる。倭は壱岐・対馬・筑紫に「防人」を置き、国防強化をはかる。その後、中大兄皇子は外敵(唐)への危機管理に近江大津宮に遷都、中央集権体制を強化、天智天皇となり、税と兵を集めやすくするため戸籍「庚午年籍(670年)」を生む。天智天皇の策略で、弟の大海野皇子は出家し吉野へ「トラ」と呼ばれる。天智天皇は「トラ」を邪魔だと吉野を攻める。農民にも武器を持たせた。「トラ」は再び戦いの舞台へ。これが古代最大の内乱「壬申の乱」。結果天智天皇は破れ673年大海野皇子は都を再び飛鳥に戻し天武天皇として即位、「律令体制」を固める。−本巻でこの辺から<外国への武力・中央集権国家・法律>という思想が生まれたと見える。 (2017年04月01日)
ボクたちはみんな大人になれなかった
燃え殻/著
新潮社
税込価格  1,404円
 
通常1〜2日で出荷
商品詳細画面へ
すごい・・。感動したヨ!誰かに明るく話す気にはなれないけど。
おすすめ度:
読み終えてしまうと寂しくなるかもと思わせるような小説。なんでもツイッターで配信されたものがカタチになったということ。童貞でベルコンに乗ったエクレアをただ詰め込むだけという工場勤めをしている主人公。「社会の数にカウントされてなかった(本文)」不甲斐ない感じの青春時代に求人情報誌の文通欄を通じて容貌のさえない、いわゆるブスである一つ上の女性と出会う。「好きな人ってなんなの?って思って生きてきた」といとも簡単に口にする彼女を主人公は好きになる。ラブホテルの浴槽に浸かりながら地球の絶滅への願いをため息交じりに言える本当の自分をさらけ出せる関係。著者が想いを必要以上にこめていると読者から見破られることのない飾り気のないそれでいて滴るような情感に溢れた言葉たちで綴られている。小沢健二であるとかWAVE(昔あったレコード店)とかホットドックプレス(雑誌)とか、ツイッター、恋するフォーチューンキッキーであるとか時代を感じさせるアイコンとして機能する固有名詞が全編に散りばめられていて、その時代を通り過ぎた主人公と同じ年代の読者には思い入れが持ちやすく他の世代よりも共感度もかなり違うかもしれない。主人公の青春ははかなくて寂しいものだが読者に正直さゆえになんとも言えない安心感を与えるし、まずそれは主人公を支える世界でたったひとつの揺るぎない愛が描かれているからだろうと思う。時の流れが人の外見・立場を変えるがその一方で内面を変えないと仮定したら、その真実を凡庸でない説得力で物語は放つというより洩らす。夕暮れの光景の美しさが物語に置き換えられたような読後感。せっかく才能に恵まれいるのになんだか全部出した、という感じだと思いました。騙されているとしたらそれはそれで嬉しいです。
(2017年09月30日)
ハリネズミと金貨 ロシアのお話
世界のお話傑作選
V.オルロフ/原作 田中潔/文 V.オリシヴァング/絵
偕成社
税込価格  1,512円
 
通常1〜2日で出荷
商品詳細画面へ
そうか、お金って役に立つものだったのか!
おすすめ度:
ハリネズミのおじいさんが道を歩いていて偶然落ちていた金貨を見つける。その金貨で冬を越すために必要なものを買おうと考えるのですが、必要なものを思いつく度に出会った動物たちに手作りのそれを貰う。その度におじいさんは金貨を代わりにと差し出すのですが彼らはそれを受け取らず、おじいさんにその他の必要なものを買うように勧める・・・。誰かが誰かのために優しくすること、そして、お金が世の中では役に立つものであることがよおく分かります。
(2017年09月29日)
おおきくなるっていうことは
ピーマン村の絵本たち
中川ひろたか/文 村上康成/絵
童心社
税込価格  1,404円
 
通常1〜2日で出荷
商品詳細画面へ
こどもに向けての本だけど、これ大人も考えさせられるなあ・・・
おすすめ度:
自分自身が「おおきくなる」、それはどういうことなのかをこどもに教えるのにいいのかな?歯が生えることだったり、それまでよりも木に高く登れて、それで大丈夫かを考えることができたり・・・。まあ、そんなあたりまえのこと?がページをめくるごとに展開されるわけだけど、う〜ん最後が違う。道徳的な匂いがしている、それってでも大事なんだろうなあと・・・。大人にもその問題は突き刺さってきますね、これ。
(2017年09月28日)
わたしのワンピース
にしまきかやこ/えとぶん
こぐま社
税込価格  1,188円
 
通常1〜2日で出荷
商品詳細画面へ
ウサギの少女が自然とふれあう。自然てやさしい。
おすすめ度:
わたしと自分が呼ぶウサギの少女がわたしのワンピースをミシンで自ら製作。そのワンピースはとても不思議なワンピースでそれを着て歩くと、たとえば花畑を歩けば花の模様が付くし、雨の中を歩けば水玉もように変化するという具合。それらは全編を通じて全て「自然」のものであり、少女は知らないあいだに「自然と触れ合っている」わけだ。そして、ララララと鼻歌を歌いながらそれを楽しむ・・・。自然に対する愛おしさがこどもに伝わるのかなあ・・・。
(2017年09月28日)
こねこのぴっち
大型絵本
ハンス・フィッシャー/文 絵 石井桃子/訳
岩波書店
税込価格  1,620円
 
お取り寄せ
商品詳細画面へ
子猫のぴっちが猫になるまで?
おすすめ度:
生まれたての子猫のぴっちはとても好奇心が旺盛のようだ。外に出て猫のくせにヤギやうさぎやニワトリに出会い、彼らになぜか憧れを持ち彼らになろうとする。が、挫折を繰り返して一日が過ぎてゆく・・・。その日、ちょっとしたことで夜が来たのに自分の住むりぜっとおばあさんの家に入れなくなってしまう。ぴっちに恐怖感が生まれる・・・。同じようにりぜっとおばあさんに飼われている犬のべろによってぴっちは救われるが、翌日から病気になってしまう。次の展開が温かい!べろのアイデアで介抱されるぴっちのためにりぜっとおばあさんは楽しい会を開く。その見開きページに広がる光景にはぴっちが憧れ自分たちの仲間になろうとした他の動物たちがにこやかにいる。会が終わる。ぴっちは一緒に誕生した兄弟猫とりぜっとおばあさんのごちそうを食べる。もう、ぴっちは他の動物になりたいなどとは思わない・・・。 (2017年09月27日)
ふくろうのダルトリー
乾栄里子/文 西村敏雄/絵
ブロンズ新社
税込価格  1,512円
 
通常1〜2日で出荷
商品詳細画面へ
善意って必ず戻ってくるのかなあ・・・
おすすめ度:
夜にしか活動できないため誰もからその存在を知られていない唯一、月だけが話し相手のふくろうくん。月が欠けた時に栄養が不足しているのだろうとリンゴを高い屋根の上に月が食べられるようにする。もちろん月がリンゴを食べるわけではない(笑)、だけどそのリンゴは必ず消えている。ふくろうの知らないうちにリンゴを必要とする人々にそれは風に運ばれ、転がり・・・渡り、彼らに幸せを味あわせてくれる。ラストシーン、そんな孤独なふくろうに在る幸せが訪れる・・・・。絵が柔らかくなんとも優しく、それが読者に物語世界に引き込む。
(2017年09月27日)
もこもこもこ
ぽっぽライブラリ みるみる絵本
谷川俊太郎/作 元永定正/絵
文研出版
税込価格  1,404円
 
通常1〜2日で出荷
商品詳細画面へ
ファーストブック(赤ちゃん絵本)、半世紀近く愛されています!
おすすめ度:
完全なるファーストブック(赤ちゃんからの絵本)。それとしてオススメです。本書の何よりの特徴は音と形の関係ではないかと思います。本書の持つ独特のリズムは赤ちゃんにとって心地いいのでしょうか?支持されなくて消えてゆく絵本の多い中1977年に発行され半世紀近くも愛されている絵本。
(2017年09月27日)
ピーターのいす
キーツの絵本
エズラ=ジャック=キーツ/作・画 木島始/訳
偕成社
税込価格  1,296円
 
通常1〜2日で出荷
商品詳細画面へ
ちいさなこどもが成長するとき。
おすすめ度:
ピーターという少年と生まれたての妹。ピーターのものがどんどんとその妹用にピンクに塗り替えられるのを彼は見て面白くなくなる。でも・・・・。少年の心の成長を描いている。おなじ環境を味わっている子供が読めば自分の嫉妬心が特別なものではないとピーターに心を重ねるのではないだろうか?子供は自分のことをそうやすやすとは変えないと想像すると本書を読むことでそれが少し解けるのかもしれない。
(2017年09月27日)
てがみぼうやのゆくところ
講談社の創作絵本
加藤晶子/作
講談社
税込価格  1,404円
 
お取り寄せ
商品詳細画面へ
世界の善意にあふれてる。ハッピーです!
おすすめ度:
手紙の擬人化、手紙に幼い子供を演じさせる。手紙の行先は一人の少年のおばあさんのところだ。手紙くん(てがみぼうや)は誘惑や災難に出会うがそこで出会う人たちのやさしさで無事おばあさんのもとへ。優しい絵本ですね。 (2017年09月25日)
あくま
谷川俊太郎/詩 和田誠/絵
教育画劇
税込価格  1,404円
 
通常1〜2日で出荷
商品詳細画面へ
疑うことも大切ってことかも
おすすめ度:
ある一人の少年がむかしばなしの中へ入ってゆく。そこで魔女、悪魔と友達になろうと言われる。通常むかしばなしでは二人ともが悪いもの、自分に災厄を与えるものというのが定番だ。その意識が少年にも働いたのであろうか、まず最初に出会う魔女をレーザーガンでやっつけようとするが魔女は死なない。そうすると今度は悪魔がやってくる悪魔は魔女をやっつける。だが、少年は少年を守ってくれた悪魔とさえ友達にはなりたくなく、むかしばなしから逃げる。家に帰り、少年は悪魔と友達にならなくて損をしたのかも?とぼんやりと考える・・・。 (2017年09月25日)
憲法くん
松元ヒロ/作 武田美穂/絵
講談社
税込価格  1,512円
 
通常1〜2日で出荷
商品詳細画面へ
リストラされようとしている『憲法くん』の心もよう。
おすすめ度:
2017・6・1に記しているが、そういうタイミングだからこそ本書が生まれたよう思う。この内容に今、なんらかの感慨を持たない読者などいそうにないと想像します。日本国憲法が擬人化された、今年70歳になるがまだまだ意気軒昂である『憲法くん』が、自分(憲法)の来し方行く末について思いを馳せるというのが本書。なぜ、彼がそんなふうであるか?彼は今、「リストラされそう」になっているからである。コミカルでシリアス!本書を開いてゆくと『憲法」が本当に我々国民のものであり、制定後、意識的にであれ、無意識的にであれ、我々の行動を、ひいては政府の行動を決めていたことが分かる。『憲法』の現状をシビアに考える材料となると思うし、いろんな見解を読者に与えるという意味では悪い本ではないと思う。むろん、作者が人間である限り、作者の憲法に対しての思いが込められているわけで、いくら公平を保とうとしてもそれは叶わないし、本書もそうなっている感じがする。しかし、それはそれであっていいし、本書を読んで反対の意を唱えたって構わないわけである。ただ、そうした中にあって、毅然と『前文』のすべてが掲載されているのがすごくいい。これ一冊で憲法について考えるきっかけが得れる。−『私の初心、私の魂は、憲法の前文に書かれています。こんなふうに始まっています。・・・日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、・・・・・・』。(尚、本書は松元ヒロという芸人の一人芝居が下敷きになっている。) (2017年06月01日)
おおきな木
シェル・シルヴァスタイン/作 村上春樹/訳
あすなろ書房
税込価格  1,296円
 
通常1〜2日で出荷
商品詳細画面へ
無償の愛・・・うん?愛ってそもそも無償でしょ。YES.
おすすめ度:
一人の少年が大人になって年老いるまでの人生とその人生に寄り添う「おおきな木」のラブストーリー。が、文字どおり「愛の物語」であり、恋愛の話ではない。− 献身的な「大きな木」は少年が求めるままに遊んであげたり、お金が必要な少年のために自らの体の一部である「実」を提供したり、家を建てるという少年に自分の「幹」をくれてやったり、最後は老いた老人になった少年の為に切り株になってしまった自分を「休息のイス」にしたり・・・

愛って無償と読むこと、それが相手に必ず伝わる、その時の幸せ。何も求めない。ただそこに愛があるのみ。− そういう読み方をしました。若草色の表紙が眩しい! (2017年05月28日)
たべてあげる
ふくべあきひろ/ぶん おおのこうへい/え
教育画劇
税込価格  1,188円
 
お取り寄せ
商品詳細画面へ
シュールレアリズムの極。絵本にして、これを大人に隠すか !?
おすすめ度:
ものすごくシンプルなストーリーで、大人ならその結末を最初の数ページで見抜く、こともあるかもしれません。でも、なぜかしらの強引な魅力が大人をも最後のページまでピーンとした緊縛感で引っ張ってゆく。この絵の求心力ってバカみたい(笑)。こども、その子の個性によっては泣くね。こども、その子の感性によっては笑うね。どっちにしろ、残るのは・・・なんだろう?わからないです(笑)。食育とか、野暮なことをいうのだけは止しておきたいです。価値が損なわれる可能性を回避したいですから。
(2017年05月14日)
何様
朝井リョウ/著
新潮社
税込価格  1,728円
 
通常1〜2日で出荷
商品詳細画面へ
突破、成長、変化ー 普通の生活の中に現れる一コマ。
おすすめ度:
卒業間近の高校生、会社の人事部の新人、恋人を見つける、身近な人の人生に衝撃的に触れる、不倫ー今までと違う自分を作ることの勇気が本短編集に通底しているテーマだと思いました。いろんな状況設定での生活のひとコマなのですが、その主人公誰もが成長や突破の瞬間を経験する、そんな・・・。気取りがないとても素直な文章でどんな読者の要望にも応えられる、広く行き渡る作品集だなという感じです。
(2017年02月02日)
りゆうがあります
わたしのえほん
ヨシタケシンスケ/作・絵
PHP研究所
税込価格  1,404円
 
通常1〜2日で出荷
商品詳細画面へ
笑いが止まらないかも知れないけどぼくは本気だよ。えへん。
おすすめ度:
う〜ん、ふふふふふ・・と、ニヤニヤしながらしか読めないピースな絵本。おかあさんの注意するわるい癖にはひとつひとつ理由がある、と男の子。そうです、なにも普通の理由ならニヤニヤして読みません。彼が説明するのはこどもならではの空想力にみちみちた笑いを誘うものばかり。そういうのがいくらでも出てくる、出てくる。こどもの底知れぬおそろしさを、いえ、たぶん、大いなる可能性の素晴らしさを、体験できます。おかあさんはたいへんだ!! (2017年01月17日)
なつみはなんにでもなれる
ヨシタケシンスケ/作・絵
PHP研究所
税込価格  1,080円
 
お取り寄せ
商品詳細画面へ
ああ、こどもって、自由自在・・・はは。
おすすめ度:
洗濯物をたたむおかあさんに向かってわんぱく女の子なつみ選手がモノマネごっこでかまってもらいたがります。ただのモノマネレパートリーじゃない!あさりに、ポットに、(おかあさんがよくやる)ゆですぎたブロッコリー?・・・あきれるおかあさんを尻目に果ては「気持ち」の真似?・・・ああ、すごいな、こども。全力投球の毎日が想像され楽しくなりました。 (2016年12月30日)
最後の秘境東京藝大 天才たちのカオスな日常
二宮敦人/著
新潮社
税込価格  1,512円
 
通常1〜2日で出荷
商品詳細画面へ
藝大は読者の期待を全く裏切らない大学!バンザーイ!!
おすすめ度:
現役藝大生を妻に持つ作家の僕が藝大を取材。著しく個性的な人々と本書を読むことで出会うことができ、読者にとって常識から解放される稀有な体験となった。期待を裏切らない藝大の藝大らしさ、と書くと説明になっていないが、つまり一般に考えられる藝大への偏見をそのまま引き受けてくれる内容。

そんな彼らのオリジナリティーに圧倒されるエピソードをいくらでもここに紹介することはできるのだが、それは作者の仕事。つまり読んでこそってとこ。そして・・・許していただければ本書は笑いの宝庫という紹介もできる。笑いで体がずり落ちる。例えば著者が准教授と交わした下記の会話。
「見学かい?今、鉄を切ってるから見てく?」
「いいんですか?」
「鉄はいいよねえ」
「鉄の何がいいんですか?」
「硬いところだね」
「硬いところ・・・ですか?」
「うん、硬いところだね」(本文より)

藝大は音楽を志向する音校と美術のそれの美校とに分かれているがどちらの学生もバカみたいな受験競争率を通過した人々。つまり芸術のエリート達。とにかく【ならでは】の金言が本書のあちらこちらに、いえ、全面に散りばめられています。
(2016年12月08日)

1 2 3 4 5

掲載レビュー全99件


このページのトップへ