書籍ダイジェスト配信サービス
SERENDIP 厳選書籍
要旨
代表的な日本固有の文化的価値観に「侘び寂び(wabi sabi)」がある。茶道(茶の湯)や和歌・俳句などに表れ、禅など日本の精神文化が世界に広まる中で注目されるようになった。世界共通で誰でも持ちうる美意識にもなりつつある「侘び寂び」ゆえに、ビジネス教養として理解しておく必要があるのではないか。
本書では、グローバルな概念としても定着している「侘び寂び」の概念をテーマに、日本史上の、主に茶道との関わりに言及しながら、心理学の知見も踏まえて「どう理解すべきか」を解説している。対で用いられることが多い「侘び」と「寂び」だが、両者には違いがあり、前者は人の表情や所作、作品の外見などに表れたもの、後者は内面に潜む、より抽象度の高い概念。裏切りが日常で、明日をも知れぬ覚悟で生きていた戦国時代の武将は「寂び」に似た価値観を持っていたと考えられるという。
著者は社会心理学者で、東洋英和女学院大学人間科学部教授、NLPU認定マスタートレーナー。茶名「宗心」として、裏千家淡交会巡回講師、裏千家学園茶道専門学校理事を務める。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2023年4月18日]
[要旨]
ビジネス教養としてもおさえておきたい世界に通じる「Wabi‐Sabi」の核心にせまる一冊。
[目次]
第1章 クイズ「どの茶道具が侘びていますか?」(問1 茶杓1;問2 茶杓2 ほか);第2章 「侘び寂び」の新概論―心理学的視点まで(世界中が関心を寄せる侘び寂び;「侘び寂び」は日本文化固有の概念 ほか);第3章 侘び茶碗から「侘び寂び」を理解する物語(茶碗に見る侘びの美学史;初期の抹茶茶碗 ほか);第4章 茶の湯に見る「侘び化」の物語(茶道における侘び茶;侘び茶以前の茶の湯 ほか);終章 近代から現代にいたる「侘び寂び」とその大乗化(「侘び」概念のダイバージェンスとコンバージェンス;近世の発句における「侘び」の類似概念 ほか)
岡本 浩一 (オカモト コウイチ)
1955年大阪府高槻市生まれ。東京大学文学部社会心理学専修課程卒(1980)。大学院を経て、東京大学社会学博士(1990)。NLPU認定マスタートレーナー(2019)。1989年より東洋英和女学院大学に奉職。現在まで人間科学部教授として社会心理学を教える。1993年、オレゴン大学フルブライト助教授。リスク心理学をわが国に導入し、研究領域「社会技術」立ち上げを主導した。(旧)通産省顧問、原子力安全委員会専門委員、内閣府原子力委員会専門委員、文部科学省政策評価有識者会議委員など歴任。茶名「宗心」。1996年より「淡交」に連載。裏千家淡交会巡回講師。裏千家学園茶道専門学校理事。2015年、第13回茶道文化貢献賞受賞。茶の湯文化学会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
0100000000000034444397
4-473-04549-8
80億人の「侘び寂び」教養講座
岡本浩一/著
淡交社
0
https://www1.e-hon.ne.jp/images/syoseki/ac/97/34444397.jpg?impolicy=PC_AC_M
/store/common/material/images/com_bt017_sp.gif
BK