[目次]
1 初恋(救済であり、林文学の原点であった初恋;『浮雲』の中に結実した『放浪記』);2 森本六爾との恋(東京前期放浪時代へサイコロを振り戻した林芙美子のパリ;林芙美子のパリ開拓を助けた森本六爾);3 辻平一への恋(交流の背景と概観;辻平一へ宛てた林芙美子の書簡をめぐって;日中戦争従軍にみせた、林芙美子の辻平一への愛;「この恋ハもへがら辛らきかな 芙美子」);4 『浮雲』の富岡兼吾のモデル林芙美子の香り立つ晩年の恋(高松棟一郎宛て芙美子の一通目の手紙と、作品『夢一夜』;『夢一夜』の一郎のモデルは高松棟一郎か;『夢一夜』後、『浮雲』前の芙美子;高松棟一郎宛て芙美子の二通目の手紙;『放浪記』からはみ出した『浮雲』の独自のプロットとテーマ;穏やかで淡々と続いていた辻平一への愛の救い);5 エピローグ 夫・林緑敏の絶対的存在
「放浪記」「浮雲」の作者、林芙美子。逆境から這い上がるように作家となった芙美子は、恋多き女でもあった。芙美子が女学校生活を過ごした広島県尾道で、芙美子を研究してきた著者は、4人の恋人に焦点を当て、あらためて作家林芙美子の姿を探った。初恋の相手岡野。パリ遊学中に知り合った考古学者の森本。新聞記者高松。晩年に恋した辻。そして夫となった画家緑敏にも触れる。日記など未公開の資料により芙美子の姿が鮮やかに浮かび上がってくる。一人の女性の物語としても興味深く、林芙美子の作品が今まで以上に深く楽しめる一冊。
清水 英子 (シミズ エイコ)
1942年広島県生まれ。1961年広島県立尾道東高等学校卒業。1961年尾道市役所に勤める。尾道市図書館勤務の間、林芙美子研究に入り、主に尾道時代の林芙美子を追究。2000年尾道市役所退職。林芙美子をテーマに執筆活動をする。現在、尾道市文化財保護委員。広島県在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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4-286-03030-X
林芙美子・恋の作家道
清水英子/著
文芸社
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BK