[要旨]
「潤」は、最近中国で流行っている言葉で、さまざまな理由からより良い暮らしを求めて中国を脱出する人々を指す。もともと「儲ける」という意味だが、中国語のローマ字表記であるピンインでRunと書くことから、英語の「run(逃げる)」とダブルミーニングになっている。「潤日」コミュニティ―、多くの日本人が知らぬ間に、中国や日本、そして世界の変化に応じる形で急速に存在感を増しつつある。この全く新しいタイプの中国人移民たちをつぶさに訪ねて耳を傾けると、その新規性や奥深さを痛切に感じるとともに、日本の政治、経済、社会に見逃せないほどの大きなインパクトをもたらしつつある現状が見えてきた。
[目次]
第1章 世界の現象としての潤;第2章 タワマンに住む人々;第3章 新お受験戦争;第4章 引退組企業家安住の地;第5章 独自のエコシステム;第6章 地方という開拓地(フロンティア);第7章 焦燥する中間層;第8章 リベラル派知識人大集結;第9章 抗議者、小粉紅、支黒、大外宣
いま、日本に移住する中国人富裕層が急増! 中国で何が起こっているのか? 裏切者と呼ばれても、中国を捨てる新移民の実像に迫る!
舛友 雄大
(マストモ タケヒロ)
中国・東南アジア専門ジャーナリスト。1985年福岡県生まれ。カリフォルニア大学国際関係修士。2010年中国の経済メディアに入社後、日本を中心に国際報道を担当。2014年から2016年までシンガポール国立大学で研究員。2022年よりNHKラジオのニュース番組「マイあさ!」でアジア情勢の解説を担当。2023年にはポッドキャスト番組「Asia Frontline」を始動。アジアの現在を、日本語、英語、中国語、インドネシア語の4カ国語で発信中。本書が初の著書(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)