[要旨]
ナントカとハサミは使いようで切れる。それは大学も同じこと。ガクモンを使いこなすには、アタマとココロがいる。しかし、日本が作った大学は、アタマのないタコ・イカのゲソを束ねただけだった。日本を「一流国」から転落させた、教育崩壊の根は意外にも深かった―。日本をダメにした官僚体質を斬る。
[目次]
第1章 先生なにやったら優くれんの?―過剰適応で壊れる学生たち;第2章 文系と理系の起源―官学は富国強兵の士官学校;第3章 タコもイカもナメクジではない―ディシプリン不在で崩壊する学力;第4章 坊っちゃんはどこへ行った?―漱石がつけたココロのけじめ;第5章 お上の学とカミの学―自律なき自由の必然的崩壊;第6章 安田講堂の遺伝子組み換え―学徒出陣から社会的責任へ;第7章 大学よ、君はソクラテスの問いに答えられるか?―戦略と倫理はコインの表裏;終章 中庸か?凡庸か?それが問題だ―バカとハサミはすぐキレる
「失われた10年」と教育崩壊の根源は、明治に始まる「官学」にあった!夏目漱石はなぜ東大を去って朝日新聞社に入ったのか。教育の何が日本をダメにしたのか。いま求められる本当の知とは何か。現役の東大准教授が大胆に提言する。
伊東 乾
(イトウ ケン)
作曲家=指揮者。1965年東京都生まれ。東京大学理学系研究科物理学博士課程中退、同総合文化研究科超域文化科学専攻博士課程修了。90年、第1回出光音楽賞受賞。2000年より東京大学大学院情報学環助教授、07年より同准教授。『さよなら、サイレント・ネイビー』(集英社)で第4回開高健賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)