[要旨]
代わりに書くのは何者か。谷崎潤一郎をはじめ、口述筆記を行った作家は実は多い。だが、ディスアビリティやケアが絡み合う空間で、筆記者、特に女性の役割は不可視化されてきた。大江健三郎、多和田葉子、桐野夏生らの作品をも取り上げ、書くことの代行に伴う葛藤とジェンダー・ポリティクスを鋭く分析した力作。
[目次]
序章 口述筆記する文学;第1部 ディスアビリティをめぐる交渉―口述筆記創作の現場から(1)(ペンを持てない男性作家―谷崎潤一郎の場合;「書く機械」になること―伊吹和子『われよりほかに』);第2部 書くことの協働性とケア―口述筆記創作の現場から(2)(ケアとしての口述筆記―筆記者たちの経験から考える;“書かせる”でもなく、“書かされる”でもなく―武田泰淳『目まいのする散歩』);第3部 言葉を媒介することとジェンダー―テクストのなかの口述筆記(“媒体”となる身体―円地文子「二世の縁 拾遺」;再演される言葉―大江健三郎『みずから我が涙をぬぐいたまう日』『水死』);第4部 代行のポリティクス―口述筆記の向こうへ(創造性から逃れる―多和田葉子「無精卵」;書きかえられる物語―二つの「残虐記」をめぐって);終章 ペンを持たない時代の口述筆記
谷崎潤一郎をはじめ、口述筆記を行った作家は実は多い。だが、ディスアビリティやケアが絡み合う空間で、筆記者、特に女性の役割は不可視化されてきた。大江健三郎、多和田葉子、桐野夏生らの作品をも取り上げ、書くことの代行に伴う葛藤とジェンダー・ポリティクスを鋭く分析した力作。
田村 美由紀 (タムラ ミユキ)
1990年奈良県に生まれる。現在、国際日本文化研究センター機関研究員、博士(学術)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
0100000000000034502971
4-8158-1129-6
口述筆記する文学 書くことの代行とジェンダー
田村美由紀/著
名古屋大学出版会
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BK