- 出版社:Pickering & Chatto (Publishers) Ltd
- 出版年月:2009年 06月
- ISBN:9781851969531
- 言語:ENG
- 巻数・ページ数:1776 p.
- 分類: イギリス・18世紀
- DDC分類:821.6
- 内容紹介:
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風刺漫画や小説に登場するメアリ・ロビンソンは、多くの場合当時のプリンス・オブ・ウェールズ、後のジョージ4世の愛人として描かれてきました。近年は、その奔放な人生よりも、小説家及び詩人としての業績の重要性へと関心が移りつつありますが、本書もその変化を裏付けるものとして編纂されました。昨今のロビンソンの作品に対する関心の高まりは、即座に彼女をイギリス・ロマン主義文学の古典の位置へと押し上げました。ウィリアム・ゴドウィンやメアリ・ウルスンクラフトなどロマン主義の重要人物との交流や、同時代の作家シャーロット・スミスとの類似によって、学術研究の世界において彼女への関心が高まっています。彼女の作品は、社会、文化に対する鋭い批評眼により、イギリス上流階級での倫理の退廃を明るみに出しました。特に女性嫌悪的な態度、富や社会的地位に対する盲目的な強迫観念について、焦点が当てられています。しかし、その作品から読み取れるのは、批評家としてよりも、革命家としての彼女の姿です。既に良く認められているロビンソンのフランス革命への共感は、彼女の政治的急進性を明示しています。さらに、彼女の性、ジェンダーに対する型破りな考えや態度は、作品内で描写される、男装と奔放な性行動にはっきりと現れています。この批評版ではロビンソンの7つある小説全てを出版する始めての試みです。同時に、ロビンソンの全作品に新しい光を投げかける、これまで未出版の風刺喜劇、”Nobody”を収録します。女性作家、ロマン主義研究に必須の資料としてお薦めいたします。