アニメにおいて大きな効果を発揮するものの学術的研究はいまだ少ない音楽と音響についての初のレファレンス。アニメ研究と「サウンド・スタディーズ」が注目される音楽・音響・大衆文化研究を結びつけ、今後の国際的フィールドの広がりを方向づける画期的な一冊。1930年代から現在にいたる日本アニメ（映画・テレビ）における音楽・音響・音声の発展を、理論的な基盤にもとづく多数の論考を有機的に構成することで見わたす。各章で歴史的局面、作曲家、演奏者、シリーズ、ジャンルなどを扱うとともに、重要人物への貴重なインタビューを含む。編者マルコ・ペッリッテーリは、イタリア語でアニメ研究書を執筆し、編著論文集Japanese Animation in Asiaもあり。本書の推薦者には『なぜ日本は「メディアミックスする国」なのか』が邦訳されたマーク・スタインバーグや『ジブリ・アニメーションの文化学』などの編者である須川亜紀子・横浜国立大学教授が名を連ねる。