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国語教科書の思想

ちくま新書 563

出版社名 筑摩書房
出版年月 2005年10月
ISBNコード 978-4-480-06270-3
4-480-06270-X
税込価格 792円
頁数・縦 206P 18cm

商品内容

要旨

戦後の学校教育は子供の人格形成を使命の一つとしてきた。現在、その役割を担っているのが国語である。「読解力低下」が問題視される昨今、国語教育の現場では何が行われているのか?小・中学校の教科書、なかでもシェアの高いいくつかの教科書をテクストに、国語教科書が子供たちに伝えようとする「思想」が、どのような表現や構成によって作られているかを構造分析し、その中に隠されたイデオロギーを暴き出す。

目次

第1章 「読解力低下問題」とは何か(国語教育をめぐる「誤解」
「読解力低下」の一人歩き
PISAの「読解力」試験とはどういうものか
新しい科目の立ち上げ)
第2章 自己はどのように作られるのか―小学国語(自然に帰ろう
父の不在の意味
自己と他者に出会う
他者のいない情報
二つの定番教材)
第3章 伝える「私」はどこにあるのか―中学国語(強いられるコミュニケーション
「道徳」の方へ
「わたしたち」というレトリック
なんのための豊かさか)

著者紹介

石原 千秋 (イシハラ チアキ)  
1955年生まれ。成城大学文芸学部卒業。同大学院文学研究科国文学専攻博士課程後期中退。早稲田大学教育・総合科学学術院教授。専攻は日本近代文学。文学テクストを現代思想の枠組を使って分析、時代状況ともリンクさせた斬新な読みを展開する。また、「国語」教育について、特に入試国語の読解を通した問題提起も積極的に行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)