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物語の近代 王朝から帝国へ

出版社名 岩波書店
出版年月 2020年11月
ISBNコード 978-4-00-025326-0
4-00-025326-3
税込価格 3,080円
頁数・縦 308,4P 20cm

商品内容

要旨

ものがたり(物語)の言語空間は、「近代」とどのように出会ったのか。人文諸学の知見とともに日本の古典文学から近代文学の大海へと漕ぎだす本書は、従来の文学批評と研究の常識をかろやかに超えてゆく。著者が築き上げてきた物語論の到達点を示す。

目次

1 主体/自我という病(ラフカディオ・ハーンと近代の「自我」
王朝の物語から近代小説へ―語りの主体から「自我」へ)
2 近代小説と物語(泉鏡花の「近代」
泉鏡花、魂のゆくえの物語
北村透谷と他界、異界)
3 物語の声と身体(声と知の往還―フォーミュラ
踊る身体、劇的なるもの
オーラル・ナラティブの近代)
4 物語/テクスト/歴史(ものがたりの書誌学/文献学
物語テクストの政治学
歴史語りの近代
歴史学と「物語」史観について)

出版社・メーカーコメント

物語の原型は、目には見えない「もの」のざわめきに声を与えることにある。琵琶法師によって『平家物語』が語られ、その後、能や歌舞伎劇が生まれ、さらに江戸の戯作文学が作られていくなかで、伝承された言語空間は近代とどのように出会ったのだろうか。幅広い射程で文学を捉え続けてきた著者が磨き上げた物語論の決定版。

著者紹介

兵藤 裕己 (ヒョウドウ ヒロミ)  
1950年生まれ。専門は、日本文学・芸能論。埼玉大学、成城大学を経て、学習院大学教授。文学博士(東京大学)。著書に『太平記“よみ”の可能性』(サントリー学芸賞、講談社学術文庫)、『声の国民国家』(やまなし文学賞、同)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)