• 本

淀川八景

文春文庫 ふ49−1

出版社名 文藝春秋
出版年月 2022年12月
ISBNコード 978-4-16-791977-1
4-16-791977-X
税込価格 759円
頁数・縦 221P 16cm

商品内容

要旨

大阪人の悲喜こもごもを見つめながら、今日も流れる淀川。陰惨な家庭を生き延びた姉妹、弟の野球を眺める少女、婚活バーベキューにいそしむ男女、映画を撮る高校生、自由を謳歌する個人投資家―全員が割り切れない心を抱えて水辺に佇む。瑞々しい人生のスケッチから今の大阪が浮かび上がってくる短編集

出版社・メーカーコメント

関西人の機知と哀愁がつまった傑作短編集 大阪に生まれ、大阪で生き続ける大人たち、若者たち、子供らの人生を活写した、八つの風景です。 「あの橋のむこう」:38歳のデザイナー。東京の生き馬の目を抜く世界でサバイブしているが、クリスマス前に故郷の大阪に戻る。悲惨な家庭を共に生き抜いた妹に会うために。「さよならホームラン」:父の再婚により、「あたし」には弟ができた! 全く興味のなかった野球を、弟を応援するために、毎週観に行くようになる。「婚活バーベキュー」:職場の後輩は育児中。残業をしない彼女の仕事の肩代わりをする「私」も、実は焦っている。お見合いバーベキューに行くが、よいと思える男性はおらず、「バーベキュー奉行」に徹することにした。「ポロロッカ」:妻の流産で心のはなれかけた夫婦。二人で過ごす週末から逃れ、夫は淀川沿いのハイキングに出掛ける。「趣味は映画」:親の仕事の都合で、東京の高校から大阪の高校に編入した「俺」。「趣味は映画」などと自己紹介したのが運のツキ、同級生女子の映画自主制作に巻き込まれる。「黒い犬」:子供のできない若い夫婦は犬を飼い始めるが。「自由の代償」:スーパーで激安食品を買い込む中年男性。実は個人投資家で、投資のみでつましく暮らしている。組織に勤めるのが大嫌いなのだ。「ザリガニ釣りの少年」:母と二人で貧しく暮らすと噂される小学生・須野木。クラスの男子らにランドセルを蹴られても怒らず、放課後はひとりでザリガニ釣りを楽しんでいる。 解説・北上次郎

著者紹介

藤野 恵美 (フジノ メグミ)  
1978年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。2003年『ねこまた妖怪伝』で第2回ジュニア冒険小説大賞を受賞し、翌年に同作でデビュー。以降、児童文学のみならず幅広いジャンルで活躍する。現在、大阪芸術大学客員准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)