• 本

地中海世界の歴史 2

沈黙する神々の帝国 アッシリアとペルシア

講談社選書メチエ 802

出版社名 講談社
出版年月 2024年4月
ISBNコード 978-4-06-535426-1
4-06-535426-9
税込価格 2,420円
頁数・縦 277P 19cm
シリーズ名 地中海世界の歴史

商品内容

要旨

アルファベット、一神教、貨幣―。紀元前一〇〇〇年前後、人類最大の発明は、神々の沈黙とともにもたらされた。そして登場した大覇権が、地中海世界の秩序を大きく変える。騎馬遊牧民や「海の民」の影響を受け、「強圧の帝国」として周辺国を軍事的に圧倒したアッシリア。征服した諸民族の信仰や習俗を尊重して貢納関係を結び、「寛容の帝国」を築いたアケメネス朝ペルシア。大胆な仮説と人類史の構想のなかで「世界帝国の祖型」を描く。

目次

第1章 人類最大の発明(初期アルファベットの誕生
ヘブライ人の唯一神
貨幣の出現)
第2章 強圧の世界帝国アッシリア(軍事国家の台頭
最初の「世界帝国」へ
帝国の分裂と文明の終焉)
第3章 寛容の世界帝国ペルシア(キュロス王からダレイオス大王へ
パクス・ペルシアーナ
ギリシアとの戦争)
第4章 神々の沈黙と「枢軸時代」(預言者たちとユダヤ教
イラン高原の宗教運動―ゾロアスター教
汝自信を知れ―人間の魂の発見
インド・中国の覚醒者たち)

出版社・メーカーコメント

メソポタミアからローマ帝国まで、「地中海世界」4000年の歴史を、古代ローマ史研究の第一人者が描きつくす全8巻シリーズ。講談社選書メチエ創刊30周年特別企画。第1巻と同時発売の第2巻は、ローマ帝国に先立つふたつの大帝国、アッシリアとペルシアの登場を、大胆な仮説と人類史の大きな構想のなかで描く。第1巻で語られた「人間が神々の声を聞いていた時代」は、紀元前1000年前後を境に大きく変容する。神々の声が人々に届かなくなっていくのである。それには、アルファベットと貨幣の発明が関係あるのだろうか−−。そしてこれ以降、「世界帝国」と呼ばれる大覇権が形成され、地中海世界の秩序は大きく変動する。周辺地域の騎馬遊牧民や、東地中海の「海の民」の影響を受けて台頭した軍事国家アッシリアは、「強圧の世界帝国」として他を圧倒。一方、アッシリアの後にさらに大領域を治めたペルシアは、征服した諸民族の文化と信仰を許容して貢納関係を結び、「寛容の世界帝国」をなした。これら世界帝国は西の辺境ギリシアに新たな都市国家を生み、後のローマには学ぶべき広域帝国の前例を残したのだった。目次はじめに第一章 人類最大の発明1 初期アルファベットの誕生2 ヘブライ人の唯一神3 貨幣の出現第二章 強圧の世界帝国アッシリア1 軍事国家の台頭2 最初の「世界帝国」へ3 帝国の分裂と文明の終焉第三章 寛容の世界帝国ペルシア1 キュロス王からダレイオス大王へ2 パックス・ペルシアーナ3 ギリシアとの戦争第四章 神々の沈黙と「枢軸時代」1 預言者たちとユダヤ教2 イラン高原の宗教運動−−ゾロアスター教3 汝自身を知れ−−人間の魂の発見4 インド・中国の覚醒者たちおわりに

著者紹介

本村 凌二 (モトムラ リョウジ)  
1947年生まれ。一橋大学社会学部卒業、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。文学博士(西洋史学)。東京大学大学院総合文化研究科・教養学部教授、早稲田大学国際教養学部特任教授を経て、現在、東京大学名誉教授。おもな著書に『薄闇のローマ世界―嬰児遺棄と奴隷制』(東京大学出版会、サントリー学芸賞)、『馬の世界史』(中公文庫、JRA賞馬事文化賞)ほかがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)