• 本

バブルの後始末 銀行破綻と預金保護

ちくま新書 1833

出版社名 筑摩書房
出版年月 2024年12月
ISBNコード 978-4-480-07659-5
4-480-07659-X
税込価格 968円
頁数・縦 222P 18cm

書籍ダイジェスト配信サービス SERENDIP 厳選書籍

要旨

「失われた30年」と呼ばれる日本経済の低迷について、直接的な原因とされるのが1991年以降のバブル崩壊だ。当時、前例のない金融危機に対応するため、新銀行の設立、資本注入、不良債権の分離など新たなスキームが次々と導入された。振り返って、導き出される課題や教訓とは何だろうか。
本書は、バブル崩壊の最中に日本銀行という「渦中」にいた著者が、金融機関の破綻処理の手法、公的資金の投入方法、また危機対応の考え方や教訓をまとめている。戦後初の金融機関の破綻においては、大蔵省(現財務省)と日本銀行との間に考え方の差があったとする。また、東京協和信用組合と安全信用組合の「二信組」処理において導入された受皿銀行方式のスキームや、自主廃業した山一證券に、よりよい選択はなかったのかなどについても考察している。
著者は、トータルアセットデザイン顧問。1978年4月日本銀行入行、91年信用機構局調査役、金融機関の破綻処理に明け暮れた。2010年から野村総合研究所未来創発センター主席研究員。いちよし経済研究所アドバイザーを経て現職。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2025年1月28日]

商品内容

要旨

いまも続く「失われた30年」の直接的な原因とされるバブル経済の崩壊。当時、金融業界では何が起こり、関係者は何を見誤ったのだろうか。段階的に導入された一時国有化、新銀行設立、資本注入、不良債権の分離などの「破綻処理スキーム」は、何を目指したものだったのか。激動の現場で実務に当たった著者がその舞台裏を振り返り、金融不安と隣り合わせの現代に、その教訓と危機対応の考え方を伝える一冊。

目次

第一章 金融危機が生んだ経済の断層―97年〜98年の日本の経験
第二章 公的資金、預金保険の資金援助始まる
第三章 バブル経済の崩壊
第四章 金融危機
第五章 ようやく完成した金融システム安定化策
第六章 遅すぎた特効薬「公的資金」
第七章 公的出資はなぜ遅れたか

出版社・メーカーコメント

大手銀行さえ倒れる恐ろしい金融恐慌に日銀や大蔵省は何を考え、どう動いたか。数々の破綻処理スキームは何を狙って導入したか。金融危機に立ち向かう方法とは。

著者紹介

和田 哲郎 (ワダ テツロウ)  
1954年東京生まれ。78年3月横浜国立大学経済学部卒、同年4月日本銀行入行、91年信用機構局調査役、金融機関の破綻処理に明け暮れる。2000年前橋支店長、03年政策委員会室審議役、日銀の機構改革に取り組む。06年預金保険機構預金保険部長、のち参与、預金カットを伴う金融機関の破綻処理の研究に取り組む。10年から野村総合研究所未来創発センター主席研究員。専門はマクロ経済、金融。その後、いちよし経済研究所アドバイザーを経て、トータルアセットデザイン顧問に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)