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営繕かるかや怪異譚 その3

角川文庫 お72−4

出版社名 KADOKAWA
出版年月 2025年6月
ISBNコード 978-4-04-116024-4
4-04-116024-3
税込価格 902円
頁数・縦 313P 15cm
シリーズ名 営繕かるかや怪異譚

商品内容

要旨

罵倒に耐えて長年姑を介護してきた順子には、その死後も杖の音が聞こえたり、他に誰もいない家の階段で肩を掴まれたりし…(「火焔」)。死んだ姉を偏愛していた母親が他界。辛い思い出の募る実家を整理するため、ツルバラで覆われた、庭の小屋に入ると…(「茨姫」)。建物で怪異が起これば営繕屋・尾端が呼ばれ、家屋に宿る想いを掬いあげる。恐怖と郷愁を精緻に描いた至極のエンターテインメント全6篇収録。

出版社・メーカーコメント

怖ろしくも美しい。哀しくも愛おしい−−。これぞ怪談文芸の最高峰!シリーズ第3弾。建物にまつわる怪現象を解決するため、営繕屋・尾端は死者に想いを巡らせ、家屋に宿る気持ちを鮮やかに掬いあげる。恐怖と郷愁を精緻に描いた至極のエンターテインメント。全6編収録。「待ち伏せの岩」渓谷で起きた水難事故で若者が亡くなる。彼は事故の直前、崖上に建つ洋館の窓から若い女に手招きされていた。一方、洋館に住む多実は、窓の外に妖しい人影を見る。「火焔」イビリに耐えて長年介護してきた順子には、死後も姑の罵詈雑言が聞こえる。幻聴だと思っても、姑の携帯番号から着信を受け、誰もいない家の階段で肩をつかまれ……。「歪む家」温かい家庭を知らない弥生は、幸せな家族を人形で再現しようとする。しかしドールハウスを作り込むうちに些細なきっかけで「歪み」が生じ、やがて異変が起こる。「誰が袖」典利は戸建てを新築し、第一子の出産を控えた妻と母親が暮らしている。以前に住んでいた屋敷には幽霊がいた。当時を思い返した典利はふと、あることに気付く。「骸の浜」河口付近の家にひとりで暮らす真琴。荒れ果てた庭の向こうには、低い垣根越しに海が見える。この街の沖で水難に遭った死体は、靄と共にこの庭にやってくるのだ。「茨姫」死んだ姉を偏愛していた母親が他界し、響子にとって辛い思い出が募る実家が残った。荒れ果てた家を整理するため、ツルバラで覆われた庭の小屋に入ると……。解説/漆原友紀

著者紹介

小野 不由美 (オノ フユミ)  
12月24日、大分県中津市生まれ。京都大学推理小説研究会に所属し、小説の作法を学ぶ。1988年作家デビュー。「悪霊」シリーズで人気を得る。12年、2作が相関関係にある『鬼談百景』と『残穢』を刊行。『残穢』は13年第26回山本周五郎賞を受賞。20年「十二国記」シリーズが第5回吉川英治文庫賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)