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人びとの社会戦争 日本はなぜ戦争への道を歩んだのか

出版社名 岩波書店
出版年月 2025年9月
ISBNコード 978-4-00-024562-3
4-00-024562-7
税込価格 4,730円
頁数・縦 574,77P 22cm

商品内容

要旨

私たちの社会はどうあるべきか。私たちは何を願い、何を戦っていたのか―。近代化を成し遂げ、帝国になった大正期以降、普通の人びとの社会を舞台にした「解放」と「引締め」をめぐる「戦い」が、本当の戦争になるまで。軍国主義日本が起こした戦争に巻き込まれる国民という視点からは抜け落ちる、普通の人びとの「社会戦争」のダイナミズムから近現代日本の実像を追う。大佛次郎論壇賞、毎日出版文化賞受賞者の渾身の大作。

目次

序章 人びとは何を戦っていたのか
第1部 解放の時代(瓦解と解放 一九一〇‐二〇年代
くすぶる苛立ち:草の根社会保守の台頭 一九一〇‐二〇年代
解放の行き詰まり 一九二七‐三一年
幸せとは何か 一九二七‐三一年)
第2部 引締めの時代(満州事変とは何だったのか 一九三一‐三四年
全体主義の魅力(一)絆、団結、一体感の希求 一九三一‐三四年
全体主義の魅力(二)対立、格差、多様性の嫌悪 一九三四‐三七年)
第3部 戦いの時代(戦争の魅力(一)国内相克の克服 一九三七‐三八年
戦争の魅力(二)人びとはなぜ戦争を欲したのか 一九三七‐三八年
草の根からの翼賛体制 一九三八‐四〇年
大政翼賛会とは何だったのか 一九三八‐四〇年)
第4部 なぜ日本は対米戦争を選んだのか(氾濫する理想と正義 一九三八‐四一年
国内事情の重み 一九四一年四月‐九月
対米強硬論のうねり 一九四一年八月‐十月
大東亜戦争と人びとの社会戦争 一九四一年九月‐一二月)
第5部 引き続く社会戦争(解放の再来:あふれ出る個性と多様性 一九四五‐五〇年
引締めの再来:巻き返す草の根社会保守 一九四七‐五二年)
終章 解放と引締めをめぐるもう一つの戦い

出版社・メーカーコメント

軍国主義日本が起こした戦争に巻き込まれる国民という視点から抜け落ちる、もうひとつの戦いがあった。近代化を成し遂げ帝国になった大正期以降、「解放か引き締めか」の価値観をめぐる「社会戦争」が普通の人びとの日常的なレベルで繰り広げられ、ついに戦争へと至る。大佛次郎論壇賞、毎日出版文化賞受賞者の渾身の大作。

著者紹介

益田 肇 (マスダ ハジム)  
大阪生まれ。立命館大学卒。新聞社勤務を経て渡米。日本語教師として勤務ののち、コーネル大学大学院にて博士号(歴史学)取得。現在、シンガポール国立大学歴史学部准教授。専門は、日本近現代史、20世紀アジア史、アメリカ外交史。主要著作:『人びとのなかの冷戦世界―想像が現実となるとき』(岩波書店、2021年、第21回大佛次郎論壇賞、第75回毎日出版文化賞〔人文・社会部門〕)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)