滅亡するかもしれない人類のための倫理学 長期主義・トランスヒューマン・宇宙進出
講談社選書メチエ 829
出版社名 | 講談社 |
---|---|
出版年月 | 2025年9月 |
ISBNコード |
978-4-06-541128-5
(4-06-541128-9) |
税込価格 | 2,090円 |
頁数・縦 | 234P 19cm |
商品内容
要旨 |
核戦争、環境破壊、パンデミック、超AI…人類滅亡の可能性は極めて高い。しかしそれを切り抜けたならば、人類は宇宙を征服するだろう、と言われる。そのとき「人類」は果たして「ヒト」だろうか?そして存続を目指すべき「人類」の範疇とは?イーロン・マスクやテック企業家たちを熱狂させ、先端技術の基底思想になりつつある「長期主義」を軸に、ポストヒューマニズムの最前線を追う。 |
---|---|
目次 |
第一章 最大多数の最大幸福 |
出版社・メーカーコメント
核戦争、環境破壊、AI暴走−−人類滅亡はもはやSFではない。だが、この存亡リスクを乗り越えた先には、AIとの共生、ポストヒューマン化、恒星間文明という、宇宙規模での億年単位の繁栄が現実に開かれる可能性が高い。つまり、いま私たちが下す選択は、人類の次の100万年を左右するかもしれない。では、未来のまだ生まれていない人々に、私たちは責任を負うべきか? ただし、近未来の絶滅を免れたとして、そこに存続する「人類」が、今の私たちと同じ形をしているとは限らない。 AIが人類文化を継承した場合、それは「人類」と呼べるのか? こうした天文学的な長期スケールで現在と未来を考えるのが「長期主義」である。火星移住を目指すイーロン・マスクも、ブレインアップロードやトランスヒューマン化を志向するTESCREAL系のシリコンバレー思想も、その延長線上に位置している。しかし、そもそも「人類」は存続すべきなのか? 本書は、宮崎駿『ナウシカ』を入口に、功利主義倫理学の刷新、世代間倫理、反出生主義、AIリスク、シミュレーション仮説など、長期主義を含む現代倫理学の最前線を体系的に整理する。都市伝説的ですらあるトピックや未来像を、哲学と倫理学で読み解く一冊である。[本書の内容]第1章 最大多数の最大幸福第2章 人類が滅びる可能性第3章 未来への対立軸第4章 動物たちの未来と反出生主義第5章 倫理は常識に合致するか 第6章 あなたが存在する世界と非同一性問題第7章 シングルトンの困難第8章 宇宙には他に誰かいるのか第9章 本当に人類は宇宙に出ていいのか第10章 それでも宇宙を目指す意味