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被ばく「封じ込め」の正体 広島・長崎・ビキニ・福島の声から

岩波ブックレット 1114

出版社名 岩波書店
出版年月 2025年10月
ISBNコード 978-4-00-271114-0
4-00-271114-5
税込価格 748円
頁数・縦 87P 21cm

商品内容

要旨

内部被曝・低線量被曝をめぐる不都合な真実が被害を封じ込め、実害が心の病として扱われてもきた。5人のジャーナリストが現場の声を聞き、80年の歴史をたどる。核開発と並行して誕生した国際機関・研究者集団が恐れていたものとは。「誤差」として覆い隠された実態とは。押し込められ分断されてきた被害者の声の封印を解き、核の時代を終わらせる連帯へと向かうために。

目次

1 体験したこと、語りきれない被害(広島から
長崎から
福島から
太平洋で被ばくした船員たち
コラム 被曝量・放射線の単位)
2 内部被曝の認定をめぐる争点(「黒い雨」訴訟と内部被曝
長崎被爆体験者訴訟の線引き
コラム 血液・歯からさぐる船員の被爆量
コラム 甲状腺がんと原発事故)
3 「影響なし」とする神話を越えて(「100ミリシーベルト」神話
黙殺される内部被曝
封じられた“誤差”が物語る船員被曝調査の実態
進む研究)
4 被曝影響を封じ込めてきたのは何者か(職業病としての放射線障害防止を目的とした時期(1928〜1950年)
核兵器開発・核軍拡政策に沿う被曝管理を目的とした時期(1951〜1957年)
核開発に加えて原子力開発が目的の中に入った時期(1958〜1976年)
反原発運動が発展して経済的・政治的に推進策を補強する被曝防護策が必要になった時期(1977年〜)
被曝への恐れを封じ込める「広報機関」)

出版社・メーカーコメント

内部被曝・低線量被曝をめぐる不都合な真実が、被害を封じ込め、心の病の扱いをしてきた。5人のジャーナリストが現場の声を聞き、80年の歴史を辿る。核開発と並行して誕生した国際機関・研究者集団が恐れていたものとは。「誤差」として覆い隠した実態とは。世界の核被害の中に位置づけ直し、分断されてきた被害者をつなぐために。

著者紹介

小山 美砂 (コヤマ ミサ)  
ジャーナリスト。毎日新聞社で原爆報道キャップとして「黒い雨」裁判を取材、2022年に毎日新聞社退社
笹島 康仁 (ササジマ ヤスヒト)  
ジャーナリスト、フォトグラファー。高知新聞記者を経て2017年に独立
白石 草 (シライシ ハジメ)  
ジャーナリスト。2001年に非営利独立メディアOurPlanet‐TVを設立。福島原発事故後の取材に注力
田井中 雅人 (タイナカ マサト)  
朝日新聞記者(核と人類取材センター事務局長)。2012年ハーバード大学客員研究員。2022年神戸大学より博士(学術)授与
古川 恵子 (フルカワ ケイコ)  
長崎放送報道メディア局専門局次長・記者。カネミ油症、被爆者を継続取材し、「夏空の灰〜被爆体験者は何者か?〜」(2024年)などのドキュメンタリー番組を制作(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)