『魔力なし』の侍女リネットとレポフスキー家当主として君臨するマンフレッドが務める裁定魔術師（アービトレーター）−−それは魔術師たちの探偵にして、判事にして、処刑人だ。主従でもある比翼の探偵たちは、かけがえのない人を救うため、次々と邪智暴虐の魔術師どもを追いつめる。彼らは《黒魔術師》バーナビーの痕跡を辿り、魔都ジェズリール・タウンへ向かう。街の頂点に君臨するフォーベス家がかかわる事件の背後に仇敵の影を見た探偵たちは、ついに彼奴の喉元に喰いかからんと迫る−−！　これは魔術と謎を論理で暴き、邪悪な魔術師を圧倒的な力で裁く探偵たちを追った事件簿である。