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西の魔女が死んだ

新潮文庫

出版社名 新潮社
出版年月 2001年8月
ISBNコード 978-4-10-125332-9
4-10-125332-3
税込価格 649円
頁数・縦 226P 16cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全3件

  • 自分で決める。自分が守る。それが生きる力になって、自分を守ってくれる。季節が初夏へと移り変わるひと月をあまりを、大好きなおばあちゃんである「西の魔女」のもとで過ごす。そんな主人公・少女まいの成長物語。

    (2014年3月12日)

  • 中学生のまいはおばちゃん(西の魔女)のもとでしばらく生活することになります。そのあいだにまいはおばあちゃんから魔女の手ほどきを受けることになります。魔女の手ほどきといっても、魔術とか煙がもくもく出ている薬の配合とかじゃありません。自然とともに生きること。自分の心の声に耳をすますこと。当たり前のようなことでもありますが、とても大切で難しいこと。まいはおばあちゃんからいろいろなことを教わっていきます。おばあちゃんの話し方は独特でなぜか敬語です。最初は孫に対する話し方に違和感を感じますが、最後の方になってくると、この話し方だからいいのだ、と思えてきます。おばあちゃんとまいのやりとりの中で私が大好きなものがあります。それは、まいが「おばあちゃん大好き」というと、おばあちゃんは決まって「アイ・ノウ」というところです。このやりとりって英語独特のやりとりですよね。日本語だとそれをあらわすちゃんとした言葉がないような気がします。日本語の「私もよ」とか「知ってるわ」というのとも違うニュアンスの「アイ・ノウ」魔女だからこその愛のこもった言葉だと思いました。
    神さまにもし、愛していますって伝えたら、神さま

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    (2012年4月29日)

  •  最初の部分は主人公が英国生まれの祖母(日本に在住)のうち預けられ、そこでの生活の描写からはじまる。メルヘンテックな童話の延長線上の小説かと思いきや、中身の濃さに驚く。自然の中で調和して生きてゆくことが、人生で必要な知恵を得てゆく。現代人が自然にかかわらず、都会化された社会で生きてゆくことがいかに多くのものを失わせたか。核家族では伝承できない知恵を子供に伝えるか問題である。野いちごからジャムを作り、鶏を飼い卵をとり、子供が取りにいかせられ、鶏につつかれないで、いかに卵を取るか子供の目線で描かれてる。一昔前の時代が描かれてる。いじめられてる少女が手軽に魔法を持ちたいというのは人情である。しかし祖母は人間形成できていない人間が魔法を望むことは危険であると教える。大人でも手軽に魔法を得たいと思っている人はいるのではないか。また死後の世界人間がどの様になるのか、いっぱい詰め込まれている小説である。(たか) 新潮文庫WEB読者アンケートで第1位。古風堂々といつも自信に満ちているイギリス人おばあちゃんと、いつも不安で自分のやっていることに自信がない中学生、まいとの交流を描

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    (2005年10月28日)

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商品内容

要旨

中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも…。その後のまいの物語「渡りの一日」併録。

おすすめコメント

中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも……。その後のまいの物語「渡りの一日」併録。

著者紹介

梨木 香歩 (ナシキ カホ)  
1959(昭和34)年、鹿児島生れ。英国に留学、児童文学者のベティ・モーガン・ボーエンに師事。『西の魔女が死んだ』で日本児童文学者協会新人賞、新美南吉児童文学賞、小学館文学賞を、『裏庭』で児童文学ファンタジー大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)