• 本

走れメロス

改版

新潮文庫

出版社名 新潮社
出版年月 2005年2月
ISBNコード 978-4-10-100606-2
4-10-100606-7
税込価格 440円
頁数・縦 300P 16cm
シリーズ名 走れメロス

書店レビュー 総合おすすめ度: 全4件

  • いつ読んでも何回読んでも良い作品

    初めて『走れメロス』を読んだのは学生時代。当時もこの作品に感銘しましたが、改めて読むと新たにこの作品の良さを感じました。ただ、ただ純粋に良い作品です。自分の命を投げ出してまで世を変えようとする人は、今の時代にいるでしょうか。メロスの勇敢な姿、セリヌンティウスとの命を懸けるほどの友情の深さには心が洗われます。
    また、中に収録されている『富岳百景』は太宰の感性に触れられると同時に、目の前には美しい富士の情景が広がります。
    さまざまな太宰の世界を知れる1冊です。

    (2009年6月30日)

  • 同じ本には二度と出会えない

    • おすすめ度
    • 教学館 (沖縄県うるま市)

    本との出会いは、その時の年齢、読んだ時の環境により違う、その時の感動、感性はその時でなければ味わえない。この本に初めて出会ったのは中学生の時でした、友との友情とはこうあるべきものだと、深く感銘し友情の大切さを感じました。
    しかしやがて大人になり、また読み始めると、新たなる感じ方ができます。
    現在の自分との境遇なども本の中の主人公と照らし合わせることなども今でしか味わえません。
    その時に初めて自分が変わっていくのがわかります。
    本とは、自分自身を写し続ける人生の鏡のようなものです。

    (2009年6月29日)

  • 読みながら叫んでしまう、「走れメロス」

    太宰治生誕100年ということで「走れメロス」を読み直しました。
    正義感に溢れ実直な男メロス。
    人を信じることのできない暴君ディオニス王。
    命を賭けて友人を信じたセリヌンティウス。
    子供の頃、正義感だけでこんな恐い王に立ち向かっていけるんだろうか。自分の命を友人のために差し出すなんて本当にできるんだろうか。戻れば自分は殺されるのにどうしてこんなに一生懸命走るのか。でも、もっと速く速く走ってー! とワクワクしながら読んだことを思い出しました。(岩)

    (2009年6月25日)

  • 「走れメロス」を読んで

    これは、メロスとセリヌンティウスの深い友情の物語で、人を信じる事の大切さを考えさせれられる話です。人を疑う事、嘘をつく事、人間の心の弱い姿も短いストーリーの中に描かれています。

    (2009年6月24日)

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商品内容

要旨

人間の信頼と友情の美しさを、簡潔な力強い文体で表現した『走れメロス』など、安定した実生活のもとで多彩な芸術的開花を示した中期の代表的短編集。「富士には、月見草がよく似合う」とある一節によって有名な『富岳百景』、著者が得意とした女性の独白体の形式による傑作『女生徒』、10年間の東京生活を回顧した『東京八景』ほか、『駈込み訴え』『ダス・ゲマイネ』など全9編。

おすすめコメント

友情を、青春を、愛を描く。太宰は、21世紀を生きる僕たちの心に迫る。恋をしたのだ。そんなことは、全くはじめてであった――。青年の独白から始まる「ダス・ゲマイネ」。かばんひとつさげて、その峠を訪れた。私は、富士に化かされた(「富嶽百景」)。朝、目を覚ましてから寝床に入るまで、少女の心理を鮮やかに捉える「女生徒」。そして、命を賭けた友情をきりりと描いた永遠の名編「走れメロス」。九つの物語が万華鏡のようにきらめく短編集。

著者紹介

太宰 治 (ダザイ オサム)  
1909‐1948。青森県金木村生れ。本名は津島修治。東大仏文科中退。在学中、非合法運動に関係するが、脱落。酒場の女性と鎌倉の小動崎で心中をはかり、ひとり助かる。1935(昭和10)年、「逆行」が第1回芥川賞の次席となり、翌年、第一創作集『晩年』を刊行。この頃、パビナール中毒に悩む。’39年、井伏鱒二の世話で石原美知子と結婚、平静をえて「富岳百景」など多くの佳作を書く。戦後、『斜陽』などで流行作家となるが、『人間失格』を残し山崎富栄と玉川上水で入水自殺(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)