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図書館の殺人

創元推理文庫 Mあ16−4

出版社名 東京創元社
出版年月 2018年9月
ISBNコード 978-4-488-44314-6
4-488-44314-1
税込価格 968円
頁数・縦 450P 15cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 生真面目に、潔く、読者に挑戦するミステリ作家・青崎有吾作

    裏染天馬シリーズの第四弾。タイトルにある「図書館」にふさわしい謎が用意された読者と真っ向勝負の本格ミステリ・犯人当て小説です。探偵は警察のアドバイザーという立場で現場に残された物証やダイイングメッセージらしい痕跡、関係者の証言などを手に入れることができます。そしてそれらをもとに純粋に論理を積み上げて犯人に迫っていきます。

    重要なのは「論理」。矛盾せず、ほかの可能性を除き、たった一人の人物が犯人であることを示すことができるか。このとき「なぜこの人物はこんな行動をとったのか」は二の次に。この探偵の推理方法では動機は後回しになります。証拠があって結果がある、「なぜ」は必要ないのです。

    でも、そういう推理小説だとわかっているのに、不可能を可能にする方法を考えれば考えるほど「なぜ?」「なぜ?」「なぜ?」沸き起こる疑問から離れられず、結局自力での謎解きは撃沈でした……。でもとても楽しかったです。

    (2018年10月17日)

商品内容

要旨

期末テスト中の慌ただしい9月、風ヶ丘図書館で死体が発見された。閉館後に侵入した大学生が、山田風太郎の『人間臨終図巻』で撲殺されたらしい。しかも現場には一冊の本と謎のメッセージが残されていた。警察に頼まれ独自の捜査を始めた裏染天馬は、ダイイングメッセージの意味を解き明かせるのか?ロジカルな推理、巧みなプロットで読者を魅了する“裏染シリーズ”第4弾。

おすすめコメント

九月の朝、風ヶ丘図書館の開架エリアで死体が発見された。被害者は常連利用者の男子大学生。閉館中の館内に忍び込み、山田風太郎の『人間臨終図巻』で何者かに撲殺されたらしい。現場にはなんと、二つの奇妙なダイイングメッセージが残されていた! 警察に呼び出された裏染天馬は独自の捜査を進め、一冊の本と一人の少女の存在に辿り着く。一方、風ヶ丘高校では期末テストにまつわる騒動が勃発。袴田柚乃たちは事件とテストの二つに振り回されることになり……。ロジカルな推理と、巧みなプロットで読者を魅了する〈裏染天馬シリーズ〉第4弾。

著者紹介

青崎 有吾 (アオサキ ユウゴ)  
1991年神奈川県生まれ。2012年、明治大学在学中に『体育館の殺人』で、第22回鮎川哲也賞を受賞してデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)