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大発見の舞台裏で! ペロブスカイト太陽電池誕生秘話

出版社名 さくら舎
出版年月 2023年1月
ISBNコード 978-4-86581-372-2
4-86581-372-1
税込価格 1,650円
頁数・縦 237P 19cm

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要旨

化石燃料の高騰が電気代値上げにつながり、人々の生活やビジネスに影響が出ている。カーボンニュートラル、ゼロカーボン達成のためにも、再生可能エネルギーの比重をいっそう高める必要があるだろう。そのための強力な武器となりそうな、日本発の技術が注目されている。「ペロブスカイト太陽電池」である。本書では、次世代太陽電池の大本命ともいわれるペロブスカイト太陽電池の特徴や用途、仕組みなどを解説するとともに、その開発ストーリーを、開発者としてノーベル賞有力候補と目される著者が自ら語っている。従来のわれわれがイメージする太陽光発電パネルにはシリコン太陽電池が使われているが、安くなってきたもののその製造コストや、設置場所などの課題を抱えている。厚さ8分の1ミリほどの薄さでしなやかに曲げられ、軽量で低コストのペロブスカイト太陽電池であれば、それらの課題を一気に解決できる。発電効率も、シリコン太陽電池と遜色ないレベルまで上がってきているという。著者は桐蔭横浜大学大学院工学研究科特任教授、東京大学先端科学技術研究センター・フェロー、早稲田大学先進理工学研究科客員教授。光電気化学、有機系の光電変換技術、とくにペロブスカイト太陽電池の開発を専門とする。富士写真フイルム足柄研究所主任研究員、東京大学大学院総合文化研究科客員教授などを経て現職。2004年にペクセル・テクノロジーズ株式会社を設立、代表取締役を務める。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2023年3月1日]

商品内容

要旨

ノーベル賞最有力候補者、初めての著作!実用化目前!世界と未来が変わる!誰にも顧みられなかったマイナー技術を大変身させた異色の研究者が明かす元気が出るストーリー!

目次

第1章 ペロブスカイト太陽電池の大逆転開発物語―桐蔭横浜大学でドラマは始まった(ダメもと感覚で研究していたフィルム型太陽電池
ペロブスカイトって何だ? ほか)
第2章 知識ゼロでもわかるペロブスカイト太陽電池―光発電の仕組みと進化(知ってるようで知らない太陽電池
物理と化学の2つの顔を持つ太陽電池 ほか)
第3章 不本意から切り開かれた研究者人生―光発電研究者までの道すじ(高校までのデコボコ道
大学で建築の道をあきらめ、研究者へ ほか)
第4章 未来を変える研究は意外なところに―化学への誘い(研究を社会につなげる
成果を出しつづける ほか)

出版社・メーカーコメント

ノーベル賞最有力候補者、初めての著作! 次世代太陽電池の大本命「ペロブスカイト太陽電池」は日本発の新技術!いま世界で実用化競争が激化している。薄くて軽いフィルム状のペロブスカイト太陽電池は、曲げたりフレキシブルな形にでき、印刷技術を使って簡単につくれる。発電量がとても高く、曇りや雨の日、室内照明でも発電できる、と革命的なもの。社会実装されれば街全体が分散型発電所になることも夢ではない(2025年、大阪・うめきた駅で実装予定)。 じつは開発当初は性能が悪く、誰からも顧みられなかった。それがどうやって世界を席巻する大逆転を収めたのか。そのミラクルをもたらしたのが第一人者・桐蔭横浜大学の宮坂力教授だ。ペロブスカイト太陽電池開発のドラマチックな展開と熾烈な研究開発の舞台裏を明かすとともに、決してエリートではなかった自身のデコボコ道を語る。大学院卒業後、富士フイルムで研究生活を送り、つねに「新しいもの」「面白さ」を追求してきた研究一途の人生がペロブスカイト太陽電池として大きく結実した。 ノーベル賞最有力候補と最注目される異色の化学者と新技術の、面白くて元気が出るストーリー!

著者紹介

宮坂 力 (ミヤサカ ツトム)  
1953年、神奈川県に生まれる。1976年、早稲田大学理工学部応用化学科卒業。1981年、東京大学大学院工学系研究科合成化学博士課程を修了(工学博士)、富士写真フィルム株式会社入社。足柄研究所主任研究員を経て、2001年より桐蔭横浜大学大学院工学研究科教授。2005〜2010年、東京大学大学院総合文化研究科客員教授。2004年、ペクセル・テクノロジーズ株式会社を設立、代表取締役。2017年より桐蔭横浜大学特任教授、ならびに東京大学先端科学技術研究センター・フェロー。2020〜2023年、早稲田大学先進理工学研究科客員教授。専門は光電気化学、有機系の光電変換技術、とくにペロブスカイト太陽電池の開発。主な受賞には、クラリベイト・アナリティクス引用栄誉賞、加藤記念賞、市村学術賞功績賞、山崎貞一賞、英国RANK賞などがある。2009年にペロブスカイト太陽電池の論文を発表。現在はペロブスカイトの化学組成を改良して効率22%以上の太陽電池を開発している。軽量でフレキシブルなプラスチックフィルム型に作ることができ、太陽光のみならず屋内の照明にも高い効率でエネルギー変換をするペロブスカイト太陽電池は、次世代太陽電池の本命とされ、ノーベル化学賞受賞の有力候補といわれている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)