• 本

殺人者はそこにいる 逃げ切れない狂気、非情の13事件

新潮文庫

出版社名 新潮社
出版年月 2002年3月
ISBNコード 978-4-10-123913-2
4-10-123913-4
税込価格 693円
頁数・縦 316P 16cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • これもまた現実

    日々繰り返されては、ワイドショーにしゃぶり尽くされ、消費されていく殺人事件の数々。その割には、具体的にその時なにが起きたのか、或いはその後どうなったのかを知る機会は意外と少なかったりする。誰もが覚えている事件から、既に記憶の彼方に消えた事件まで、様々な事件が色々な視点から語られていて興味深く、資料性も高い。自殺実況テープなどは、そんなものを残した当事者の精神状態を考えると空恐ろしいものがある。ただ、オカルトめいた脅し文句や、記者の主観に偏りすぎた表現が少々多すぎるのが欠点だろうか。小説じゃないんだから、事実をありのまま書くように努力して欲しかった。

    (2006年9月6日)

商品内容

要旨

屠られた者たちは、その刹那、眼前に何を見たのか。あの殺人鬼たちはどこへ消えたのか…。市民という仮面の下で、人間の業深き本性が嗤う。男と女の情痴殺人から、自壊していく家族の惨劇、どす黒い邪欲に溺れた鬼畜の凶行、さらに、ほくそ笑む凶徒の姿が見え隠れする未解決事件―。隣人が羅刹と化す恐怖、突然襲う不条理。「新潮45」誌上で大反響を呼んだ、傑作ノンフィクション集。

目次

第1部 「未解決事件」の死角で殺人鬼が息を潜める(「少年法」の闇に消えたうたかたの家族―西宮「森安九段」刺殺事件
切断された「二十七の肉塊」は何を語る―井の頭公園「バラバラ」殺人事件
覆せない「物語」、最重要容疑者は何故釈放された―京都「主婦首なし」殺人事件
「行きずりかストーカーか」、見過ごされた殺意―柴又「上智大生」殺人放火事件)
第2部 修羅たちは静かに頭を擡げ出す(「無期懲役」で出所した男の憎悪の矛先―熊本「お礼参り」連続殺人事件
切り裂かれた腹部に詰め込んだ「受話器と人形」―名古屋「臨月妊婦」殺人事件)
第3部 暗き欲望の果てを亡者が彷徨う(封印された「花形行員」の超弩級スキャンダル―埼玉「富士銀行行員」顧客殺人事件
警察を煙に巻いたホストと女子大生の「ままごと」―札幌「両親」強盗殺人事件
「自殺実況テープ」の出してはいけない中身―葛飾「社長一家」無理心中事件)
第4部 男と女は深き業に堕ちて行く(崩壊した夫婦の黒き情欲の陰で「微笑む看護婦」―つくば「エリート医師」母子殺人事件
「完黙の女」は紅蓮の炎を見つめた―札幌「社長令息」誘拐殺害事件
現場で「異常性交」をした二十歳の自爆と再生―世田谷「青学大生」殺人事件
「売春婦」ばかりを狙った飽くなき性欲の次の獲物―広島「タクシー運転手」連続四人殺人事件)