• 本

あらくれ

講談社文芸文庫 とC2

出版社名 講談社
出版年月 2006年7月
ISBNコード 978-4-06-198448-6
4-06-198448-9
税込価格 1,650円
頁数・縦 279P 16cm

商品内容

要旨

年頃の綺麗な娘であるのに男嫌いで評判のお島は、裁縫や琴の稽古よりも戸外で花圃の世界をするほうが性に合っていた。幼い頃は里子に出され、七歳で裕福な養家に引きとられ十八歳になった今、入婿の話に抵抗し、婚礼の当日、新しい生活を夢みて出奔する。庶民の女の生き方を通して日本近代の暗さを追い求めた秋声の、すなわち日本自然主義文学を代表する一作。

出版社・メーカーコメント

不幸な境遇を逞しく生きるお島の流転の半生勝気な気性と激しい本能の赴くままにさまざまな男たちのとの交渉を重ねていく女、お島。身近な女達をモデルに小説を書きつづけ自然主義文学を貫いた秋声の代表作

著者紹介

徳田 秋声 (トクダ シュウセイ)  
1871・12・23〜1943・11・18。小説家。金沢市生まれ。旧制四高を父の死のため中退、文学を志して上京。尾崎紅葉門下に入りやがて泉鏡花などとならんで「葉門の四天王」とよばれるまでになる。独自の自然主義文学観に開眼し、私小説的長篇『黴』によって文壇的地位を確立する。『足迹』のお庄、『あらくれ』のお島など庶民の女性を描きつづけ、集大成ともいえる『縮図』は軍部によって中断され、太平洋戦争を憂慮しながら本郷森川町の書斎で没した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)