• 本

ソナチネの木 新装版

出版社名 青土社
出版年月 2006年8月
ISBNコード 978-4-7917-6284-2
4-7917-6284-3
税込価格 1,540円
頁数・縦 50P 23cm
シリーズ名 ソナチネの木

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • なぜ 花はいつも こたえの形をしているのだろう

    難しいことは考えずに、ただ雰囲気を楽しんでほしい本です。
    安野光雅のすてきな装幀、装画にのせて、どこかなつかしい音色を奏でることばたちを、四行詩のかたちにつむぎだした、殊玉の詩画集です。
    ぼーっと眺めているだけで、心の中にひとひらの風が舞い込んでくるようです。

    星はこれいじょう

    近くはならない

    それで 地球の草と男の子は

    いつも 背のびしている

    (2010年1月13日)

出版社・メーカーコメント

小鳥が一つずつ わたしはえのぐをといた 雲の端をほどいて この季節は あかるすぎて 花畑ではいつでもみんな なつかしい夜は どこへ行った 雲は永遠に完成しない 島に出あうたびに 風をみた人はいなかった ホルン吹きが いなくなると いつのまに 春は さがしにゆく 海をわたるために 仔馬のたてがみが 炎のようにゆれて 鳥につばさのあることがふしぎだ 夏の日の てのひらに 一生おなじ歌を 歌い続けるのは 草をわけて 続く道と 笛の音は わたしをつれてゆく この村では誰も怪しまなかった 時計は昔 空にあって あの頃は 太陽の馬車も うす紫のショールは わたしは 絵の中に入って行った 草が枯れるのは モツアルトがたずねてくる日 となりの館では 水色の ズックの子に出合う 地球に 種子が落ちること 海の涯は 滝なのだ と 一ぽんの木は コヨーテみたいに 孤独ではない 星はこれいじょう なぜ 花はいつも まぶしい花火の終ったあとで ふしぎなのは 小さな波は 語りかけるように 待つことは 航海よりもながいもの 雪の林の奥では 陽に灼けて 雲と草の穂が ふれているあたり 昔の村へ たしかめにゆく 眠りの姫よ 起きなさい 鬼ヶ島に 鬼はいなくなって 汽車は おとなの中の子供が 火のいろが うつくしくなるころ 地上でわかれる わたしたち アランブラ宮の壁の 白い花 二人のうち 一人が

著者紹介

岸田 衿子 (キシダ エリコ)  
詩人。童話作家。群馬県浅間山麓に定住
安野 光雅 (アンノ ミツマサ)  
1926年、島根県津和野町に生まれる。山口師範学校研究科修了。49年に上京。三鷹市や武蔵野市などで小学校教員をつとめ、61年に画家として独立。68年、『ふしぎなえ』(福音館書店)で絵本作家としてデビュー。ボローニア国際児童図書展グラフィック大賞、国際アンデルセン賞など受賞多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)